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UE5 オープンワールドテンプレートとは?World Partition で広大マップを作る方法

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この記事の要点
  • オープンワールドテンプレートは UE5 が標準提供する、広大なマップ開発を即座に始めるためのプロジェクト雛形
  • 中核は World Partition。マップをグリッドのセルに自動分割し、プレイヤー周辺だけを動的にストリーミングする
  • Data Layers で昼夜・破壊前後など環境のバリエーションを切り替え可能
  • HLOD(階層型 LOD)と Nanite により、遠景を破綻なく軽量に描画する
  • One File Per Actor(OFPA)方式でアクターを個別ファイル保存し、複数人が同じマップを同時編集できる
  • まず空に近いテンプレートから始め、地形・ランドスケープ・ストリーミング距離を段階的に詰めるのが定石

概要

Unreal Engine 5(UE5)には、大規模なオープンワールドゲームを開発するための強力なツール群が標準で備わっています。その入口となるのがオープンワールドテンプレートです。新規プロジェクト作成時に選べるこのテンプレートには、広大なマップを破綻なく扱うための仕組み(World Partition、Data Layers、HLOD、ナビゲーションなど)が最初から組み込まれており、ゼロから設定する手間を省いて開発をスタートできます。

従来の UE4 では、巨大なマップを「サブレベル」に手動分割し、ロード/アンロードを自前で管理する必要がありました。UE5 ではこの作業の大半が自動化され、開発者は「どこに何を置くか」という本質的なレベルデザインに集中できます。本記事では、テンプレートを構成する各機能の仕組みと、実際の立ち上げ手順、つまずきやすい落とし穴までを通して解説します。

仕組み・構造

オープンワールドテンプレートの中核を担うのが、以下の4つの機能です。

● World Partition(ワールドパーティション)

マップ全体を一定サイズのセル(グリッド)に自動分割し、プレイヤーの位置に応じて周辺セルだけをメモリにロードする仕組みです。UE4 時代のように手動でサブレベルを切る必要がなく、1つの巨大な永続レベルをそのまま扱えます。エディタ上では「World Partition」ウィンドウからミニマップ状にセルを俯瞰でき、どの領域を読み込むかを視覚的に確認できます。

● Data Layers(データレイヤー)

同じ座標に存在する複数のアクター群を「レイヤー」として束ね、昼/夜、破壊前/破壊後、ストーリー進行前/後といった状態のバリエーションを切り替えられます。ランタイムで Blueprint から ON/OFF できるため、ワールドの見た目をゲーム進行に連動させる演出に向いています。

● HLOD と Nanite による遠景処理

HLOD(Hierarchical Level of Detail / 階層型LOD)は、まだストリーミングされていない遠くのセルを、軽量な「代理メッシュ」として表示する仕組みです。これにより、地平線の彼方まで途切れなく景色が見えつつ、描画負荷を抑えられます。さらに UE5 のNaniteを併用すると、ポリゴン数を意識せずに高密度メッシュを配置できます。

● One File Per Actor(OFPA)

World Partition では、各アクターが個別のファイルとして保存されるOFPA方式が前提になります。これにより、複数の開発者が同じマップの別領域を同時に編集してもコンフリクトが起きにくくなり、チーム開発と相性が良くなっています。

使い方・手順

UE5 のオープンワールドテンプレートでプロジェクトを立ち上げる基本手順は次のとおりです。

  1. 新規プロジェクトの作成:Epic Games Launcher または UE5 を起動し、新規プロジェクト画面の「ゲーム」カテゴリから「Open World」テンプレートを選択します。
  2. World Settings の確認:エディタ上部メニュー「Window → World Settings」を開き、World Partition が有効になっていることを確認します。グリッドのセルサイズやローディング距離(Loading Range)もここで調整します。
  3. ランドスケープの編集:テンプレートに含まれる地形を「Landscape モード」で起伏や質感を編集し、自分のゲーム世界に作り替えます。
  4. Data Layers の作成:「Window → Data Layers」から新しいレイヤーを作成し、配置したアクターを割り当てます。
  5. ストリーミングの動作確認:プレイインエディタ(PIE)で歩き回り、セルが滑らかにロード/アンロードされるかを確認します。

World Partition のローディング距離は、Blueprint からも <WorldPartitionStreamingSource> 系のコンポーネントで制御できます。C++ で記述する場合、構造体テンプレートの指定は次のように <T> 形式で書きます。

TArray<AActor*> LoadedActors;
GetWorld()->GetWorldPartition();

実用例・Tips

  • セルサイズは「移動速度」に合わせる:車やドラゴンで高速移動するゲームほどローディング距離を大きく取らないと、地形が間に合わず「ポップイン」が目立ちます。
  • Data Layers で軽量化:ミニマップやコリジョン専用のアクターを別レイヤーに分け、必要なときだけロードするとメモリを節約できます。
  • HLOD は事前ビルドが必要:「Build → Build HLODs」を実行しておかないと遠景が空白になります。マップを大きく変えたら再ビルドしましょう。
  • Minimal なテンプレートから始める:装飾の多いサンプルより、空に近い構成から自分で積み上げたほうが、後で不要アセットの掃除に追われずに済みます。

注意点・落とし穴

  • World Partition は後から無効化しにくい:一度有効にしたプロジェクトを通常レベル運用へ戻すのは手間がかかります。プロジェクト方針を最初に固めましょう。
  • OFPA はバージョン管理で大量ファイルになる:アクターごとにファイルが増えるため、Git や Perforce での運用ルール(ロック、命名規則)を整えておく必要があります。
  • ローディング距離の上げすぎは逆効果:広く取りすぎると一度にロードするセルが増え、メモリ不足やカクつきの原因になります。実機で計測しながら詰めましょう。
  • ナビメッシュの再生成:広大なマップではナビメッシュのビルドに時間がかかります。Runtime Generation(動的生成)の利用も検討してください。

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