この記事の要点
- UE5 のミニマップは Widget Blueprint 上にマップ画像とプレイヤーアイコンを重ねて作る
- マップ素材: 真上から見下ろしレンダリングするか、外部の画像ソフトで作成してインポート
- 位置反映の核は ワールド座標 ↔ 2D 座標の変換 — ワールドの 100 単位 = マップの X px のスケール変換
- リアルタイム更新は Tick イベントで Render Transform を更新。重い場合は Timer (0.1 秒間隔) で代用
- 応用: マップ自体を回転 (回転マップ) / 敵や目的地アイコンの動的追加 / ズーム機能
1ミニマップとは
ミニマップは、ゲーム画面の端に表示される小さな地図 UI で、プレイヤーが現在位置や周辺環境を把握しやすくする要素です。オープンワールド、RPG、FPS、MOBA など、ジャンルを問わず採用される基本 UI です。
UE5 では UMG (Unreal Motion Graphics) の Widget Blueprint を使って実装するのが王道。本記事ではマップ素材の用意からポーン位置の反映、応用テクニックまでを解説します。
2全体の流れ
- マップ用テクスチャを準備 (見下ろしレンダリング or 自作)
- Widget Blueprint を作成し、Image でマップを表示
- プレイヤーアイコン用の Image を重ねる
- Tick でポーンのワールド座標を取得し、2D 座標に変換してアイコンを移動
- HUD クラスやプレイヤーコントローラから Widget を画面に追加
31. マップ用テクスチャの準備
ミニマップに表示するベース画像を用意します。2 つの定番手法:
A. レベル全体を真上からレンダリング
- レベル上空に Top-down Camera を配置し、レベル全体が映る位置・FOV に調整
- Scene Capture Component 2D + Render Target で 1 枚キャプチャ → テクスチャとして保存
- もしくはエディタの「High Res Screenshot」でビューポートを真上視点にして撮影
B. 外部ツールで自作
Photoshop / Krita / Figma 等でマップを作成 (シンボル化、デフォルメ化が可能)。PNG / TGA で保存し、コンテンツブラウザにドラッグ&ドロップ。
42. Widget Blueprint の作成
コンテンツブラウザで右クリック →「User Interface」→「Widget Blueprint」 (例: WBP_MiniMap)。
レイアウト構成
[Canvas Panel]
├ [Image] MapImage ← マップのベース画像 (例: 200x200)
└ [Image] PlayerIcon ← プレイヤー位置アイコン (例: 16x16, ★や●)
- MapImage: Anchors を Center / Position 0,0 / Size 200x200 程度
- PlayerIcon: Is Variable をチェック (Blueprint からアクセスするため) / Anchors は中心 / Render Transform で位置を動かす
53. ポーンの位置をミニマップに反映
Widget Blueprint の Event Graph で Tick イベントから位置更新ロジックを組みます。
処理の擬似コード
EventTick (DeltaTime)
├ GetPlayerPawn → GetActorLocation → (X, Y, Z) ワールド座標
├ ワールド原点との差分 (WorldOffset = PlayerLocation - WorldCenter)
├ スケール変換: MapPos = WorldOffset * (MapSize / WorldSize)
└ PlayerIcon → SetRenderTranslation(MapPos)
Blueprint で実装する場合のノード例
Get Player Pawn→Get Actor LocationBreak Vectorで X / Y を取り出す- 定数ノード
WorldSize(例: 10000.0 = レベル全体が ±5000 cm 範囲) とMapSize(例: 200.0) を用意 (WorldX / WorldSize) * MapSizeで X 軸の表示位置を算出 (Y も同様)Set Render Translationノードで PlayerIcon の位置を更新
注意: UE のワールド座標と UI のスクリーン座標は Y 軸が逆。Y 値はマイナスを乗じて反転する必要があります。
64. Widget を画面に表示
HUD クラスまたは PlayerController の BeginPlay で Widget を作成して画面に追加します。
// C++ の場合
void AMyPlayerController::BeginPlay()
{
Super::BeginPlay();
if (MiniMapWidgetClass) {
MiniMapWidget = CreateWidget<UUserWidget>(this, MiniMapWidgetClass);
if (MiniMapWidget) {
MiniMapWidget->AddToViewport();
}
}
}
Blueprint 派なら PlayerController の BeginPlay で Create Widget → Add to Viewport の 2 ノードでも同じことが可能です。
75. マップ自体を回転させる (回転マップ)
プレイヤーの向きにマップを追従させるタイプ (Skyrim 系) の実装は、マップ画像側を逆方向に回転させるのがポイント。
EventTick
├ GetControlRotation → Yaw 取得
├ -Yaw をマップの Render Transform Rotation にセット
└ プレイヤーアイコンは常に中心 (回転しない)
86. 動的な敵 / 目的地アイコンを表示
敵やクエスト目的地のアイコンも、同じ仕組みで個別の Image を Render Translation で動かせます。複数表示する場合は動的生成がおすすめ。
動的生成のパターン
- 新しい敵がスポーンしたら
Create Widgetでアイコン用 Widget を作成 - ミニマップの Canvas Panel に
Add Child to Canvasで追加 - 配列で管理しておき、敵が倒れたら
Remove from Parentで削除
9パフォーマンスのコツ
| テクニック | 効果 |
|---|---|
| Tick の代わりに Timer (0.1 秒) | 毎フレーム更新は人間の目で違いが分からない |
| 距離でアイコン表示を打ち切り | 視界外の敵を計算しない |
| Material を共有して Dynamic Instance 化 | アイコン数が多い場合に効果大 |
| Render Target をマップ素材化 | Scene Capture を毎フレームではなく数秒ごとに |
10応用: 全画面マップ (M キーで開閉)
ミニマップを大きく表示する全画面モードはゲーム性向上に効果絶大。同じ Widget をスケール 1.0 → フルスクリーンサイズに拡大表示し、PlayerIcon の位置計算も同じスケーリング係数で動作させれば実装できます。
11まとめ
UE5 のミニマップ実装の核は、Widget Blueprint でマップとアイコンを重ね、Tick でワールド座標を 2D 座標に変換し続けること。一度この基盤を作れば、回転マップ、複数アイコン、ズーム、全画面マップなどの拡張が容易です。
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