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Unreal Engine 5(UE5)で特定の画像の上にマウスカーソルを乗せたときにカーソルを手の形(Hand)へ変えるには、その画像(Image)やボタン(Button)ウィジェットの詳細パネルにある「Cursor」プロパティを「Hand」に設定し、対象ウィジェットをヒットテスト可能(マウスを受け取れる状態)にするのが基本です。加えて、画面上にマウスカーソルが表示されている必要があります。本記事では、UMG(Unreal Motion Graphics)でホバー時にカーソルを手の形にする手順と、うまく動かないときに確認すべきポイントを整理して解説します。
| この記事の要点 |
|---|
|
カーソルが手の形に変わる仕組み
UMG の各ウィジェットには、そのウィジェットの上にマウスがあるときに表示するカーソル形状を指定する「Cursor」プロパティがあります。ここで「Hand」を選ぶと、マウスがそのウィジェットの当たり判定(ヒットテスト)領域に入ったときに、OS 標準の手の形カーソル(指差しカーソル)へ自動的に切り替わります。Web ページのリンクにカーソルを乗せたときと同じ見た目をイメージすると分かりやすいでしょう。
重要なのは、この切り替えが「ウィジェットがマウスのヒットテスト対象になっていること」を前提にしている点です。画像をただ表示しているだけでも、ヒットテストが有効であればカーソルは変化します。逆に、見た目上は画像が乗っていても、設定によってマウスを素通りさせている(ヒットテスト無効)と、カーソルは変わりません。
手順1:画像(Image)ウィジェットを用意する
まず、カーソルを手の形にしたい画像をウィジェットブループリント上に配置します。
1. ウィジェットブループリントを作成し、デザイナー(Designer)タブを開きます。
2. パレットから「Image」ウィジェットをキャンバスパネルなどに配置します。
3. 配置した Image を選択し、詳細パネルの「Appearance」カテゴリにある「Brush」へ表示したいテクスチャ(画像アセット)を設定します。
4. サイズや位置を調整します。
ボタンらしい挙動(クリック反応)も欲しい場合は、Image の代わりに「Button」ウィジェットを使い、その中に Image を入れる構成も一般的です。Button は標準でマウス入力を受け取れるため、ホバーやクリックの扱いが分かりやすくなります。
手順2:「Cursor」プロパティを「Hand」に設定する
次に、対象ウィジェット(Image または Button)の詳細パネルでカーソル形状を指定します。
1. 対象のウィジェットを選択します。
2. 詳細パネルの「Behavior(ビヘイビア)」カテゴリを探します。
3. カテゴリ内で「Cursor」プロパティを確認します。見つからない場合は、カテゴリ右下にある小さな下向き矢印(Advanced/詳細設定の展開)をクリックすると、隠れていたプロパティが表示されます。
4. 「Cursor」のドロップダウンを開き、「Hand」を選択します。初期値は「Default」または未指定(None)になっていることが多く、その状態では OS 標準の矢印カーソルのままになります。
5. 設定後、エディタ上部の「再生(Play)」でプレイインエディタ(PIE)を実行し、対象画像の上にマウスを移動して手の形に変わるか確認します。
「Cursor」プロパティで選べる主な値の例は次のとおりです。表示される候補はバージョンによって増減することがあります。
| 設定値 | カーソルの見た目(一般的な挙動) |
|---|---|
| Default | OS 標準の既定カーソル(多くは矢印) |
| Hand | 手の形(指差し)。クリックできそうな要素の表現に使う |
| Cross hairs | 十字(照準)カーソル |
| I beam | テキスト入力を示す I 字カーソル |
| Grab hand / Grab hand closed | つかむ/つかんでいる状態を示す手のカーソル |
手順3:対象をクリック可能・ヒットテスト可能にする
「Cursor」を「Hand」にしてもカーソルが変わらないときの多くは、ウィジェットがマウス入力を受け取れていないことが原因です。次の点を確認します。
Visibility(可視性)の設定: 対象ウィジェットの詳細パネルにある「Behavior」カテゴリの「Visibility」を確認します。マウスのヒットテストを受け取れる状態にする必要があります。代表的な値は以下のとおりです。
| Visibility の値 | マウス入力(ヒットテスト) |
|---|---|
| Visible | 受け取る。クリックやホバーに反応する |
| Hit Test Invisible | 表示はされるが、自分も子も入力を受け取らない |
| Self Hit Test Invisible | 自分は入力を受け取らないが、子は受け取れる |
| Collapsed / Hidden | 非表示(Collapsed はレイアウト領域も占有しない) |
カーソルを変えたい画像自体に反応させたい場合は、その画像の Visibility を「Visible」にします。なお Image ウィジェットの初期 Visibility はプロジェクトやバージョンによって異なることがあるため、意図通りか必ず確認してください。
手前に透明な要素が重なっていないか: 対象画像の上に、別のパネルや画像がヒットテスト有効な状態で重なっていると、そちらがマウスを先に受け取ってしまい、下の画像のカーソル設定が働きません。重なっている前面の要素は、入力を通したいなら Visibility を「Self Hit Test Invisible」などに調整します。
Button を使う場合: Button は標準でクリック可能・ヒットテスト有効です。Button の「Cursor」を「Hand」にすれば、その上で手の形になります(Button の中に置いた Image 単体ではなく、Button 側に設定するのが分かりやすい構成です)。
手順4:マウスカーソルを画面に表示する
そもそも画面上にマウスカーソルが表示されていなければ、形状の変化を目で確認できません。ゲームプレイ中にカーソルを表示するには、Player Controller 側で表示を有効にします。
主な方法は次のいずれかです。
1. Player Controller ブループリントの詳細パネルで「Show Mouse Cursor」を有効(チェックオン)にする。
2. ブループリントのノードで「Get Player Controller」から「Set Show Mouse Cursor」を呼び出し、Show Mouse Cursor を true にする。
また、UI 操作中はマウスが画面外へ出ないよう入力モードを調整しておくと扱いやすくなります。「Set Input Mode UI Only」や「Set Input Mode Game And UI」を併用するケースが一般的です。
ホバー中だけ手の形にしたい場合(Set Cursor)
「Cursor」プロパティで固定的に指定する方法とは別に、マウスが乗ったタイミングと外れたタイミングで動的に切り替えたい場合は、イベントとノードを使います。Button を使うと On Hovered / On Unhovered イベントが利用でき、実装しやすくなります。
大まかな流れは次のとおりです。
1. Button を選択し、詳細パネルの「Events」から「On Hovered」「On Unhovered」イベントを追加します。
2. On Hovered の実行ピンから、対象ウィジェットに対して「Set Cursor」ノードを呼び出し、カーソルに「Hand」を指定します。
3. On Unhovered では「Set Cursor」で「Default」に戻します。
下記はイベントグラフの考え方を疑似コードで示したものです(実際はノードで接続します)。
// On Hovered(マウスが乗ったとき) Target Image -> Set Cursor (New Cursor = Hand)
// On Unhovered(マウスが外れたとき) Target Image -> Set Cursor (New Cursor = Default) |
なお、プレイヤー全体のカーソル状態を変えたい(特定ウィジェット上に限らない)場合は、Player Controller の「Get Mouse Cursor」「Set Mouse Cursor」相当の制御を使う方法もあります。用途に応じて、ウィジェット単位の「Set Cursor」と、コントローラ単位の制御を使い分けてください。
カーソルの見た目(アイコン)を変えたい場合
「Hand」を含む標準カーソルの見た目そのものを、独自のテクスチャやウィジェットに差し替えることもできます。プロジェクト設定から行う方法が一般的です。
1. 「Edit(編集)」→「Project Settings(プロジェクト設定)」を開きます。
2. 検索欄に「Cursor」や「Software」と入力し、カーソル関連の項目を探します。
3. 「Software Cursors」などの項目で、差し替えたいカーソル種別(例:Default、Hand)に対して、表示に使うウィジェットブループリントやテクスチャを割り当てます。
この設定を使うと、ホバー時の「Hand」表示を、ゲームの世界観に合わせた独自デザインのカーソルにできます。割り当てに使う項目名や対応するカーソル種別はバージョンによって異なることがあるため、エディタ上の表示で確認してください。
うまくいかないときのチェックリスト(落とし穴)
| よくある原因と対処 |
|---|
|
よくある質問(FAQ)
Q1. 画像(Image)に直接設定するのと、ボタン(Button)に設定するのはどちらが良いですか?
カーソルを手の形にするだけなら Image の「Cursor」を「Hand」にし、Visibility をヒットテスト可能にすれば足ります。ただしクリックや押下のフィードバック(On Clicked など)も使いたい場合は、Button を使うか Button で画像を包む構成が扱いやすく、ホバーイベントも利用できます。
Q2. 「Hand」に設定したのにカーソルが変わりません。
多くは「マウスカーソルが表示されていない」「対象の Visibility がヒットテスト無効」「手前に別要素が重なっている」のいずれかです。本記事の落とし穴チェックリストを上から順に確認してください。
Q3. ホバー中だけ手の形にして、外れたら矢印に戻したいです。
Button の On Hovered / On Unhovered イベントで「Set Cursor」を呼び出し、ホバー時に「Hand」、解除時に「Default」を指定する方法が分かりやすいです。固定の「Cursor」プロパティと併用する場合は、戻し処理を忘れないようにします。
Q4. 手の形カーソルのデザイン自体を変更できますか?
可能です。プロジェクト設定のカーソル関連項目(Software Cursors など)で、カーソル種別に独自のウィジェットやテクスチャを割り当てると、標準の手の形を任意のデザインへ差し替えられます。
まとめ
UE5 で特定の画像の上にカーソルを手の形にするには、対象ウィジェットの「Behavior」カテゴリにある「Cursor」を「Hand」に設定し、その画像がマウスのヒットテストを受け取れる状態(Visibility が Visible など)にしておくことが基本です。さらに、画面上にマウスカーソルが表示されていることも前提になります。ホバー時だけ動的に切り替えたい場合は Button のホバーイベントと「Set Cursor」を組み合わせ、見た目自体を変えたい場合はプロジェクト設定のカーソル項目を活用します。プロパティ名や挙動はバージョンや環境で差が出ることがあるため、最終的な確認は公式ドキュメントとお使いのエディタ表示で行うことをおすすめします。
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