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Unreal Engine 5(以下、UE5)のWorld Partitionを有効にしたレベルでは、アウトライナーやビューポート上でアクターが「アンロード済み(Unloaded)」と表示され、クリックしても選択・編集できないことがあります。これはエラーや破損ではなく、World Partitionが「画面の近くにある領域だけを自動でロードする」仕組みのため、未ロードの領域に置かれたアクターがメモリに読み込まれていない状態を指します。本記事では、この「アンロード済み」状態の意味と、対象アクターを安全にロードして編集する手順を解説します。
| この記事の要点 |
|---|
|
まず試す最短の対処手順
原因の詳細は後述しますが、急いでいる場合はまず次の手順を試してください。多くのケースはこれで対象アクターを編集できる状態になります。
- メニューの Window > World Partition からWorld Partition エディタを開きます。ワールド全体を見下ろすミニマップが表示されます。
- 編集したいアクターがある領域(セル)をミニマップ上で探し、その領域をクリックして選択します。複数の領域は Ctrl+クリック またはドラッグで同時に選択できます。
- 選択した領域の上で右クリックし、コンテキストメニューから 「Load Region」(Load Selected Region)を選びます。これでその領域のアクターがエディタにロードされ、ビューポートとアウトライナーで選択・編集できるようになります。
- アクターがデータレイヤーに属している場合は、Window > Data Layers パネルを開き、該当レイヤーをエディタ上で「ロード/表示」状態に切り替えます。
これでも表示されない場合は、後述の「Is Spatially Loaded」やデータレイヤーの設定を見直してください。なお、メニュー名やパネルの位置はUE5のバージョンによって異なる場合があるため、詳細は公式ドキュメントの確認を推奨します。
World Partitionとは何か
World Partitionは、UE5に搭載された大規模ワールド向けのストリーミング(自動ロード/アンロード)システムです。従来のように手動でレベルを分割(サブレベル)して管理する代わりに、ワールドをグリッド状のセル(Cell)に自動分割し、カメラやプレイヤーの位置に近いセルだけをメモリに読み込み、遠いセルは解放します。これにより、広大なオープンワールドでもメモリ使用量とパフォーマンスを抑えられます。
重要なのは、この「近くだけロードする」挙動がエディタ作業中にも働く点です。レベルを開いた直後はワールド全体がロードされているわけではなく、多くのアクターは「アンロード済み」のまま表示されます。つまり「アンロード済み」表示は、World Partitionが正しく機能している証拠でもあります。
なぜアクターが「アンロード済み」になるのか
エディタでアクターが「アンロード済み」と表示される主な理由は次のとおりです。
| 原因 | 状態の説明 | 主な対処 |
|---|---|---|
| そのセルが未ロード | アクターがある領域がまだエディタにロードされていない。最も多いケース。 | World Partition エディタで該当領域を右クリック →「Load Region」。 |
| データレイヤーが非アクティブ | アクターが属するデータレイヤーがエディタ上で「アンロード/非表示」になっている。 | Data Layers パネルで該当レイヤーを「ロード/表示」に切り替える。 |
| 初回オープン時の既定動作 | レベルを開いた直後、空間ロード対象のアクターは既定でロードされない。 | 編集したい領域を明示的にロードする。 |
UE5では、レベルを開いたときにエディタが自動的にロードするのは「Is Spatially Loaded」がオフのアクター(背景や管理用アクターなど)が中心です。空間ロード対象のアクターは、対応するセルをロードするまで「アンロード済み」のまま残ります。
「Is Spatially Loaded」の考え方
各アクターには 「Is Spatially Loaded」(空間ロード) という設定があり、これが「アンロード済み」になるかどうかを左右します。アクターを選択し、詳細(Details)パネルの World Partition セクションで確認・変更できます。
| Is Spatially Loaded | 挙動 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| オン(既定) | アクターが属するセルがアンロードされると、アクターもアンロードされる。距離に応じてストリーミングされる。 | 地形・建物・小物など、ワールド上に空間配置される大多数のアクター。 |
| オフ | セルの状態に関わらず常にロードされる(データレイヤーが無効でなければ)。「アンロード済み」になりにくい。 | ゲームモード管理、グローバルなマネージャー、常駐させたいアクター。 |
「特定のアクターを編集のたびにロードするのが面倒」「常に表示しておきたい」という場合は、そのアクターの「Is Spatially Loaded」をオフにする選択肢があります。ただし、常時ロードされるアクターを増やしすぎるとストリーミングの利点が損なわれ、メモリ・パフォーマンスに影響するため、本当に常駐が必要なものだけに限定するのが基本です。
データレイヤーが絡む場合
データレイヤー(Data Layers)は、アクターを論理的なグループにまとめ、ロード/表示を切り替える仕組みです。あるアクターがデータレイヤーに属している場合、エディタ上でそのレイヤーが無効(アンロード)になっていると、領域をロードしてもアクターは「アンロード済み」のままになります。
このときは Window > Data Layers パネルを開き、該当レイヤーのエディタ上の状態を「ロード/表示」に切り替えてください。空間ロードがオフのアクターでも、属するデータレイヤーがすべて無効だとロードされない点に注意します。データレイヤーごとの細かい挙動はバージョンで差異があるため、確信が持てない場合は公式ドキュメントを確認してください。
ストリーミング範囲を可視化する
どのセルがロードされているか分かりにくいときは、デバッグ表示が役立ちます。Play中のコンソール(チルダキー ~ で開く)で次のコマンドを実行すると、ランタイムのストリーミンググリッドを2D表示できます。
wp.Runtime.ToggleDrawRuntimeHash2D |
これによりセルの境界やロード状況を確認でき、「どの範囲が読み込まれていないか」を把握しやすくなります。なお、このコマンドはランタイム(Play中)のストリーミングを可視化するもので、エディタ作業時の領域ロードは前述の World Partition エディタから行います。
落とし穴:アンロード中のアクターの扱い
| 編集・保存前に必ず確認 |
|---|
|
よくある質問(FAQ)
Q1. アクターが「アンロード済み」なのは不具合ですか?
いいえ。World Partitionが近くのセルだけをロードする仕組みのため、未ロード領域のアクターが「アンロード済み」と表示されるのは正常な動作です。編集したいときに、その領域をロードすれば選択・編集できます。
Q2. 一番手早く編集できる状態にする方法は?
World Partition エディタ(Window > World Partition)を開き、対象領域を選択して右クリック →「Load Region」でロードするのが最短です。データレイヤーに属する場合は Data Layers パネルでそのレイヤーも有効化します。
Q3. 特定のアクターを常にロードしておきたいのですが?
そのアクターを選択し、詳細パネルの World Partition セクションで「Is Spatially Loaded」をオフにすると、セルの状態に関わらず常時ロードされます。ただし常時ロードのアクターを増やしすぎるとパフォーマンスに影響するため、必要なものだけに限定してください。
まとめ
World Partitionにおける「アンロード済み」は、エラーではなくその領域がまだロードされていない正常な状態です。編集したいときは、World Partition エディタで該当領域を右クリックして「Load Region」でロードし、必要に応じて Data Layers パネルでレイヤーを有効化します。常駐させたいアクターは「Is Spatially Loaded」をオフにできますが、ストリーミングの利点を損なわない範囲にとどめるのが基本です。アンロード中のアクターは保存・参照の対象から外れやすいため、作業前に必ずロードしてから編集しましょう。メニュー名や細部の挙動はUE5のバージョンで異なる場合があるので、最終的な確認は公式ドキュメントを参照してください。
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