| この記事の要点 |
|
結論: nohup とアンパサンドを組み合わせる
& を付与することでバックグラウンド実行が可能となり、nohup を付与することでssh ログアウト後も処理が継続します。
nohup java -jar sample.jar --param1=val1 &
実務では、出力の行き先も指定するのが一般的です。
nohup java -jar sample.jar --param1=val1 > /var/log/sample/app.log 2>&1 &
echo $! # 起動したプロセスの PID を表示
> ファイル で標準出力を、2>&1 で標準エラー出力も同じファイルへ書き出します。出力先を指定しない場合、nohup はカレントディレクトリの nohup.out(書けなければ ~/nohup.out)に出力を追記します。
なぜ SSH を切るとプログラムが止まるのか
SSH でログインしたシェルから起動したプログラムは、そのシェルの子プロセスとして動きます。接続が切れると、端末が閉じたことを知らせる SIGHUP(ハングアップ)シグナルがシェルとそのジョブに送られます。多くのプログラムは SIGHUP を受け取ると終了するため、処理が途中で止まってしまいます。
| 書き方 | プロンプト | SSH 切断後 |
|---|---|---|
command | 終わるまで戻らない | 止まる |
command & | すぐ戻る | 止まる可能性が高い |
nohup command | 終わるまで戻らない | 継続するが、待っている間は端末が使えない |
nohup command & | すぐ戻る | 継続する |
つまり、& は「端末を占有しない」ため、nohup は「切断の合図を無視する」ためのもので、役割が違います。両方を組み合わせることで「すぐにプロンプトが戻り、ログアウトしても動き続ける」状態になります。
すでに起動してしまったプロセスを切り離す
nohup を付け忘れて起動したプログラムも、bash の disown で SIGHUP の送信対象から外せます。
# 1. フォアグラウンドで実行中なら Ctrl+Z で一時停止
# 2. バックグラウンドで再開
bg
# 3. ジョブ一覧を確認
jobs
# 4. シェルのジョブ管理から切り離す
disown %1
ただし、標準出力が端末のままだと、切断後に出力しようとした時点でエラーになるプログラムもあります。長時間動かすものは最初から nohup とリダイレクトで起動するほうが安全です。
バックグラウンドのプロセスを確認・停止する
# 同じシェルからならジョブ番号で確認
jobs -l
# 再ログイン後はプロセス一覧から探す
ps aux | grep sample.jar
# PID を指定して終了(まずは通常の終了シグナル)
kill 12345
# 応答しない場合の強制終了(最終手段)
kill -9 12345
再ログイン後は jobs には表示されません(別のシェルのため)。ps や pgrep -f sample.jar で PID を調べます。
用途別の選び方
| 方法 | 向いている用途 | 特徴 |
|---|---|---|
nohup ... & | 一回限りのバッチ、ちょっとした長時間処理 | 追加インストール不要で手軽 |
| tmux / screen | 途中経過を見たい作業、対話的なコマンド | 切断後に再接続(アタッチ)して画面を再開できる |
| systemd サービス | Web アプリなど常駐させるプログラム | サーバー再起動時の自動起動、異常終了時の自動再起動、ログ管理 |
| cron | 決まった時刻に繰り返す処理 | ログインしていなくても定時に実行 |
setsid で完全に切り離す方法
nohup の代わりに setsid を使うと、新しいセッションでプロセスを起動し、ログインシェルとの親子関係そのものを切り離せます。端末の制御から外れるため、SSH 切断の影響を受けません。
setsid java -jar sample.jar > app.log 2>&1 < /dev/null &
どちらを使っても目的は同じですが、手順書や他の人のスクリプトでは nohup のほうが広く使われているため、チームで統一しておくと保守が楽になります。
Java プログラムを nohup で動かすときの例
元の例のように Spring Boot などの jar を起動する場合、メモリ設定や文字コードも一緒に指定しておくと運用で困りにくくなります。
nohup java -Xms256m -Xmx512m -Dfile.encoding=UTF-8 -jar sample.jar --param1=val1 > app.log 2>&1 &
echo $! > app.pid # 停止用に PID をファイルへ保存
# 停止するとき
kill $(cat app.pid)
落とし穴
- nohup.out が肥大化する: 出力をリダイレクトしないと、同じファイルに追記され続けてディスクを圧迫する
- サーバー再起動で消える: nohup で起動したプロセスは OS の再起動後には自動で立ち上がらない。常駐用途は systemd にする
- 相対パスの不一致: 起動したディレクトリがカレントになるため、設定ファイルやログの相対パスが想定と違うことがある
- 入力待ちのプログラム: 標準入力を必要とするプログラムはバックグラウンドで止まる。必要なら
< /dev/nullを付ける
確認方法
- nohup で起動し、
echo $!で PID を控える - SSH を切断して再ログインする
ps -p PIDでプロセスが残っているか、ログファイルが更新され続けているか(tail -f app.log)を確認する
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