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arp コマンドの使い方 | Linux 入門

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この記事の要点
  • arp は同一 LAN セグメント内の IP アドレスと MAC アドレスの対応表 (ARP テーブル) を表示・編集するコマンド
  • 現在は ip neigh が後継。net-tools 系のため未インストールがデフォルトの環境が増えている
  • 通信不能の切り分けで「相手の MAC が解決できているか」を見る一次調査に有効
  • 静的 ARP の追加・削除や、不審な ARP 変化 (ARP スプーフィング) の検出にも使える
  • IPv6 は ARP ではなく NDP (近隣探索) を使うため、IPv6 では ip -6 neigh を使う

概要

arp は IPv4 ネットワークの基本プロトコル ARP (Address Resolution Protocol) のテーブルを表示・編集するコマンドです。同一 LAN セグメント内では、IP パケットを送るために宛先 IP に対応する MAC アドレスが必要で、そのマッピングをカーネルがキャッシュしています。このキャッシュを ARP テーブルと呼び、arp コマンドで読み書きします。古典的な net-tools 系コマンドで、現代は iproute2 の ip neigh が後継です。

基本構文

arp [-n] [-a]                                  # 表示
arp -d ホスト                                  # エントリ削除
arp -s ホスト MAC                              # 静的エントリ追加

主要オプション

オプション意味
-n名前解決しない
-aBSD 風の表示
-eLinux 標準の表示 (デフォルト)
-d IPエントリ削除
-s IP MAC静的エントリ追加
-i IFインターフェース指定
-v詳細表示

ARP テーブルの状態欄には C (キャッシュされた動的エントリ) や M (永続的な静的エントリ) などのフラグが表示されます。incomplete は ARP 要求中だが応答が返っていない状態で、L2 到達性に問題があるサイン。

実用例

# 現在の ARP テーブル
arp -n

# 特定 IP のエントリ確認
arp -n 192.168.1.1

# キャッシュを消して再解決
sudo arp -d 192.168.1.1

# 静的エントリ追加 (まず使わない、特殊用途のみ)
sudo arp -s 192.168.1.50 aa:bb:cc:dd:ee:ff

関連コマンドとの比較・組み合わせ

現代の正解は iproute2 の ip IPアドレスの確認 系の ip neigh です。IPv6 の近隣テーブル (NDP) も同じコマンドで扱えます。

# 表示 (新)
ip neigh show
ip -br neigh

# 特定 IF のみ
ip neigh show dev eth0

# キャッシュ削除
sudo ip neigh flush dev eth0

# IPv6 近隣テーブル
ip -6 neigh show

# arping で意図的に ARP を打つ
sudo arping -c 3 192.168.1.1

L2 疎通の調査では ping (L3) と組み合わせ、ARP が解決できているのに ping が通らない場合は MAC は正しいが IP/サブネット/ルーティングの問題、ARP すら incomplete なら物理層・VLAN・ポートセキュリティ・スイッチ側の異常を疑います。

注意点・落とし穴

  • 同一セグメント限定: ARP は L2 ブロードキャストで成立するので、別ネットワークの IP は ARP テーブルに直接は現れない (ゲートウェイの MAC のみ持つ)。
  • incomplete: 相手が応答していない、または FW で ARP がブロックされている可能性。仮想化環境ではよくある。
  • ARP スプーフィング: ゲートウェイの MAC が突然変わったら攻撃の兆候。arpwatch 等で監視する。
  • 静的 ARP: 古い対策手法だが、現代ではほぼ使わない。VRRP や HA 構成では逆に問題になることがある。
  • IPv6 では ARP は無い: IPv6 は ICMPv6 の NDP を使う。ip -6 neigh を使う。
  • キャッシュ TTL: Linux はデフォルトで数分で gc される。即時更新したいときは ip neigh flush

関連リンク

ip neigh への移行と Layer 2 トラブルシュート

arproute/ifconfig と同じく非推奨。後継は ip neigh(neighbor の略)で、IPv4 ARP と IPv6 NDP を統一して扱います。

arpip neigh 同等
arp -nip neigh または ip n
arp -d 192.168.0.1ip neigh del 192.168.0.1 dev eth0
arp -s 192.168.0.5 aa:bb:cc:dd:ee:ffip neigh add 192.168.0.5 lladdr aa:bb:cc:dd:ee:ff dev eth0

L2 トラブルシュートではarping (別パッケージ)も併用すると、Gratuitous ARP の検出や Duplicate IP の調査ができます。クラウド環境では仮想スイッチが ARP プロキシをしていることが多く、物理 ARP 表とは挙動が異なる点に注意。

状態列: REACHABLE(直近で通信成功)STALE(古い情報)FAILED(応答なし)など。FAILED が継続する宛先は経路またはケーブルの物理障害を疑います。

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