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userdel コマンド — 退職者対応フローとホーム/cron/残骸の安全な削除手順

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この記事の要点
  • userdel はユーザーアカウントを削除するコマンドで、/etc/passwd/etc/shadow のエントリを除去します。
  • デフォルトではホームディレクトリやメールスプールは残るため、完全削除には -r を付けます。
  • ログイン中のユーザーは userdel できないため、まず pkill -KILL -u user で全プロセスを停止させます。
  • 本人所有のファイルがシステム全域に散らばっているケースが多く、find / -uid <UID> での残骸捜索が必要です。
  • 関連: useradd / usermod

概要

userdel はシステムからユーザーアカウントを削除するコマンドです。/etc/passwd/etc/shadow/etc/group から該当ユーザーのエントリを除去しますが、ホームディレクトリやメールスプール、cron ジョブ、システム全域に散らばった所有ファイルは標準では削除されません。完全に痕跡を消したいときは -r オプションを付け、さらに find で UID 残骸を掃除する必要があります。退職者対応や使い捨てのテストアカウント整理で使う、責任の重い操作です。

基本構文

userdel [オプション] ユーザー名

例: userdel -r alice で alice のホームディレクトリも含めて削除。

主要オプション

オプション意味
(なし)パスワードエントリのみ削除 (ホームは残す)
-rホームディレクトリとメールスプールも削除
-fログイン中でも強制削除 (危険)
-ZSELinux のユーザーマッピングも削除

実用例

1. 退職者削除の典型フロー:

# まずプロセスを停止
sudo pkill -KILL -u alice
# cron / at を確認
sudo crontab -u alice -l
sudo crontab -u alice -r
# ホームをバックアップ
sudo tar czf /backup/alice-$(date +%Y%m%d).tar.gz /home/alice
# 削除
sudo userdel -r alice
# システム全域の残骸捜索
sudo find / -nouser -print 2>/dev/null

2. ホームを残したまま削除 (アーカイブ目的):

sudo userdel alice
sudo chown -R root:root /home/alice

3. テスト用アカウントの一括削除:

for u in test01 test02 test03; do sudo userdel -r "$u"; done

関連コマンドとの比較・組み合わせ

  • usermod -L: 完全削除ではなく、一時凍結。退職対応の第一段階によく使う。
  • deluser (Debian系): userdel の高レベル版。--remove-home 等の長いオプション。
  • groupdel: グループの削除。プライマリグループとして使われていると失敗する。
  • find / -nouser: UID が解決できない (=削除済みユーザー所有の) ファイルを検索。

注意点・落とし穴

  • ログイン中は失敗: ssh セッション/プロセスが残っていると削除できない。必ず pkill -KILL -uloginctl terminate-user で停止。
  • -f は最後の手段: -f はログイン中でも強制削除するが、ファイル整合性が壊れる可能性。
  • cron/at ジョブが孤児化: userdel -r でもユーザー所有でない場所の cron は残る。/var/spool/cron//etc/cron.* を点検。
  • system-wide なファイル残留: /tmp/var/log、共有ディレクトリの所有者が UID 番号のまま残るので find / -uid で確認。
  • プライマリグループは別途削除: 同名グループが残ることが多い。不要なら groupdel

関連リンク

削除の連鎖と冪等な運用

userdel は単にユーザーレコードを /etc/passwd から除くだけで、デフォルトではホームディレクトリやメールスプールは残ります。本格的に削除するには -r オプションが必要です。

# ホーム・メールスプールも削除
sudo userdel -r alice

# プロセスがあると失敗するので強制削除
sudo userdel -f alice

# まずユーザーのプロセスを全部終了してから
sudo pkill -u alice
sudo userdel -r alice

# 残ったファイルの所有者を確認 (孤児ファイル探し)
find / -nouser 2>/dev/null

運用上の注意: ログ・cron ジョブ・systemd ユニットなどに User=alice のような参照が残っていると後から障害になります。退職処理では: 1) ロック (usermod -L) → 2) 一定期間待つ → 3) find で残存ファイル確認 → 4) アーカイブ → 5) userdel -r、の段階的削除が安全です。

Ansible や Terraform で IaC 化するときは state: absent + remove: yes + force: yes の組み合わせで冪等に運用できます。

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