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スケジュール表(集計表)
モデルの中の要素が持つパラメータを、表形式で集計・一覧化する機能。建具表・部屋一覧・数量拾いといった設計実務に欠かせない表を、モデルから自動で生み出します。
この記事の要点
- スケジュール表(集計表)は、モデル内の要素のパラメータを表形式で集計するビューである
- 建具表・部屋一覧・数量拾い(コンクリート量・面積など)に使う、BIM の大きな利点の一つ
- 表とモデルは双方向に連動する。集計表で値を編集するとモデルにも反映される
- フィルタ・並べ替え・グループ化・集計(合計)で、目的に合った表を作れる
- 列に出せるのは要素のパラメータ。共有パラメータを使えば独自属性も確実に集計列にできる
本記事は Revit カテゴリの一部です。前章の シートと図面化 で図面を仕上げる仕組みを見ましたが、ここでは図面とは別の成果物である「集計表」を扱います。集計表は図形ではなく、モデルに入っている情報そのものを表にする機能です。
1スケジュール表とは
スケジュール表(Schedule、集計表)は、モデルに含まれる要素のパラメータを表形式で集計・一覧化する Revit のビューです。図形ではなく数値・属性の集計を扱う点が特徴で、内部的にはビューの一種として管理されます。建具表(ドア・窓の一覧)、部屋一覧、数量拾い(コンクリート体積、仕上げ面積、部材本数など)といった、設計実務に欠かせない表をモデルから自動生成できます。
図面を手で集計する代わりに、モデルに入っている情報をそのまま集計するため、モデルと集計表が常に一致するのが BIM の大きな利点です。表計算ソフトの表と決定的に違うのは、集計表の各行がモデル内に実在する要素と結びついている点です。表の 1 行が、モデル上の特定のドアや部屋に対応します。だからこそ後述のようにモデルと双方向に連動でき、単なる「数字の表」ではなく「モデルの別の見え方」として機能します。集計表もシートに配置すれば、図面の一部として発行できる正式な成果物になります。
2モデルとの双方向連動
スケジュール表は単なる出力結果ではなく、モデルと双方向に連動しています。一方通行の「書き出し結果」ではない点が、表計算ソフトとの大きな違いです。
- モデルの要素を追加・削除・パラメータ編集すると、集計表に即座に反映される。
- 集計表のセルで編集可能なパラメータを書き換えると、対応するモデル要素のパラメータも更新される。
このため、集計表は「大量の要素のパラメータをまとめて編集する画面」としても使えます。たとえば多数のドアのマーク番号や仕上げを、表上で一気に整理するといった使い方ができます。図形を 1 つずつ選んで編集するより、表形式でまとめて見ながら直せるため、属性整備の効率が大きく上がります。
すべての列が編集できるわけではありません。面積や体積のように、形状から自動計算される値は集計表上では編集できず(読み取り専用)、形状を変えない限り変わりません。一方、コメントやマーク、仕上げといった入力系のパラメータは編集可能です。「計算で決まる値」と「人が入力する値」の区別を意識すると、集計表での編集がスムーズです。
3集計表の構成と操作
集計表は、まず対象のカテゴリ(ドア・部屋など)を選び、表示するフィールド(列=パラメータ)を選んで作成します。その後、次のような操作で目的に合った表に整えます。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| フィールド | 表に出す列(パラメータ)を選ぶ。計算式による「計算値」列も追加できる。 |
| フィルタ | 条件に合う要素だけを表示する(例:特定の階だけ、特定タイプだけ)。 |
| 並べ替え/グループ化 | 指定したパラメータで行を並べ替え・グループ化する。 |
| 集計(合計・個数) | グループごとや全体の合計・件数を出す(数量拾いの核)。 |
| 書式 | 桁数・単位・列幅などの表示書式を整える。 |
たとえば「ドアをタイプ別にグループ化し、各タイプの個数を集計する」「壁を材質別に分け、体積を合計する」といった集計が、これらの組み合わせで作れます。完成した集計表はシートに配置して図面の一部として発行できます(→ シートと図面化)。
4代表的な集計表の例
実務でよく作られる集計表を挙げると、集計表が何に役立つかがイメージしやすくなります。
| 集計表 | 対象カテゴリ | 主な列・集計内容 |
|---|---|---|
| 建具表(ドア・窓) | Doors / Windows | マーク番号・幅・高さ・タイプ・取付レベル。タイプ別の枚数。 |
| 部屋面積表 | Rooms(部屋) | 部屋名・室番号・床面積・周長。用途別の合計面積。 |
| 仕上げ数量表 | Walls / Floors など | 材質別の面積・体積。仕上げ拾いの基礎。 |
| シートリスト | Sheets(シート) | 図面番号・図面名・発行日。図面の一覧(前章参照)。 |
これらはいずれも、モデルに入っている情報を集計しているだけなので、設計が変われば表も自動で更新されます。手作業で表を作り直す必要がないのが大きな利点です。
5数量拾いとしての活用
集計表は数量拾い(積算の元データ作成)の中心的な手段です。モデルに正しく部材が入っていれば、面積・体積・長さ・個数といった数量を集計で自動算出できます。手作業の拾い出しに比べてミスが減り、設計変更にも追従する点が強みです。
拾える数量はモデルの作り込み度(LOD:詳細度)に依存します。たとえば壁を仕上げ層まで細かくモデル化していなければ、仕上げ面積は正確に拾えません。「集計表の数字=そのままの正解」ではなく、「モデルに入力された情報の集計結果」であることを理解して扱うことが重要です。
また、集計表には数式で算出する計算値(Calculated Value)の列を追加できます。たとえば「面積 × 単価」でコスト概算列を作る、といった使い方です。これにより、単純な属性の一覧にとどまらない、目的別の集計表を組み立てられます。
6パラメータとの連携
集計表の列に出せるのは、対象要素が持つパラメータです。標準の組込みパラメータ(面積・体積など)はそのまま列にできますが、独自の属性(管理番号・仕上げコード・コスト区分など)を集計したい場合は、共有パラメータとして定義しておくのが定石です。
- 共有パラメータは GUID で一意に識別されるため、集計列として安定して使え、複数プロジェクトでも一貫する。
- ファミリパラメータは集計表に出せないなど、パラメータの種類によって扱いが異なる。
- どの属性を集計したいかを起点に、共有パラメータの設計を決めると連携全体が整理しやすい。
パラメータの種類とスコープの詳細は パラメータ(プロジェクト/共有/グローバル/ファミリ) を参照してください。集計表を CSV として書き出せば、積算ソフトやダッシュボードへ数量データを渡すこともできます。集計表が「モデルの中の情報を、表という別の形で取り出す窓口」になっている、と捉えると役割が掴みやすくなります。
「図面」と「データベースの表」の二つの顔
集計表は、見た目は表ですが、その正体はモデルというデータベースに対する一種の問い合わせ結果です。各行が実在の要素に対応し、列がその属性に対応するため、フィルタや集計は表計算ではなくデータベースの絞り込み・集約に近い動きをします。設計変更が即座に表へ反映されるのも、表が固定値ではなくモデルを参照しているからです。
この「表=モデルへの問い合わせ」という見方ができると、共有パラメータをどう設計すれば後で集計しやすいかも自然と判断できるようになります。
→次に読む
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