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パラメータ — Revit 要素が持つ「属性」
壁の厚さもドアの幅もコメントも、Revit ではすべてパラメータです。ファミリ・プロジェクト・共有・グローバル・組込み — 種類ごとの違いと、連携での使い分けを整理します。
この記事の要点
- パラメータは Revit 要素が持つ属性(値)。寸法・材質・コメントなどがすべてパラメータ
- 主な種類は ファミリパラメータ・プロジェクトパラメータ・共有パラメータ・グローバルパラメータ・組込みパラメータ
- 共有パラメータは GUID で一意に識別され、集計表・タグ・外部連携で使える。連携で最重要
- 組込みパラメータ(BuiltInParameter)は Revit があらかじめ用意した固定パラメータ。API で安定して参照できる
1パラメータとは
Revit のパラメータは、要素が持つ属性(プロパティ)です。壁の厚さ、ドアの幅、部材の材質、コメント、マーク番号など、モデルに含まれる情報はすべてパラメータとして保持されます。BIM が「属性を持った建物データベース」と呼ばれるのは、この豊富なパラメータがあるからです。集計・連携・自動化で扱う対象の大半は、このパラメータの読み書きになります。
パラメータには、前章で触れたタイプ/インスタンスというスコープの違いに加えて、「どう定義されたか」による種類の違いがあります。種類によって参照方法や、集計表・タグ・外部連携で使えるかどうかが変わるため、ここを正確に押さえることが重要です。
2パラメータの種類
| 種類 | 定義の単位 | 特徴・用途 |
|---|---|---|
| ファミリパラメータ | 1 つのファミリ内 | そのファミリ内でのみ有効。形状の駆動などに使う。集計表・タグには出せない(共有パラメータと違う点)。 |
| プロジェクトパラメータ | 1 つのプロジェクト内 | 指定したカテゴリの要素に属性を追加。集計表には出せるが、そのプロジェクト限定でタグには使えない。 |
| 共有パラメータ | 外部ファイルで定義(GUID で一意) | 複数プロジェクト・ファミリで共通利用可。集計表・タグ・外部連携すべてで使える。 |
| グローバルパラメータ | プロジェクト全体に 1 つの値 | プロジェクト内の寸法や値を一括制御。「全建具の有効高さを一括で持つ」など。 |
| 組込みパラメータ(BuiltInParameter) | Revit があらかじめ定義 | 幅・高さ・体積など標準で存在。API から列挙子で安定参照できる。 |
3共有パラメータが連携で重要な理由
共有パラメータ(Shared Parameter)は、Revit の外部にあるテキストファイル(共有パラメータファイル)で定義され、各パラメータが GUID(グローバル一意識別子)を持つのが最大の特徴です。この GUID により、プロジェクトやファミリをまたいでも「同じパラメータ」であると一意に識別できます。
共有パラメータが重要なのは、次のことが共有パラメータでしか(あるいは共有パラメータだと確実に)できないためです。
プロジェクト/共有どちらも出せるが、共有なら複数プロジェクトで一貫する。
タグ(注釈)で参照できる追加パラメータは共有パラメータが基本。
GUID が安定キーになり、IFC 書き出しや外部システム(積算・FM)との突き合わせに使える。
つまり、社内標準や連携の設計では「どの属性を共有パラメータとして GUID 管理するか」が肝になります。データの一貫性を担保するなら、まず共有パラメータの設計を確認するのが定石です。
4組込みパラメータ(BuiltInParameter)
組込みパラメータは、Revit が標準で各要素に持たせている固定のパラメータです。たとえば体積・面積・幅・高さ・コメントなどがあり、API では BuiltInParameter という列挙子(enum)で参照します。名前ベースで探すと言語設定や表記ゆれで取りこぼすことがあるため、API で確実に値を取りたいときは、この組込みパラメータの列挙子を使うのが安全です。要素からは element.get_Parameter(BuiltInParameter.xxx) のような形でアクセスします(API の詳細は別記事で扱います)。
5共有パラメータファイルの管理
共有パラメータは、Revit の外にあるテキスト形式の共有パラメータファイルに定義が保存されます。このファイルには、各パラメータの名前・データ型・GUID・グループ分けが記録されています。重要なのは、この定義ファイルが連携の「辞書」になるという点です。プロジェクトやファミリは、このファイルから共有パラメータを「取り込んで」使うため、同じ定義ファイルを参照していれば、別々のファイルでも GUID レベルで同じパラメータとして揃います。
社内標準として 1 つの共有パラメータファイルを参照すれば、GUID レベルで属性が揃い、集計・連携で突き合わせが効く。
担当者ごとに別ファイルや別 GUID で似た名前を乱立させると、見た目が同じでも別物として扱われ、突き合わせが効かない。
社内標準として共有パラメータファイルを一元管理することが、データ品質の土台になります。外部システムと突き合わせるキーを設計するときも、まずこの共有パラメータの管理状況を確認するのが定石です。
6グローバルパラメータ
グローバルパラメータは、プロジェクト全体で 1 つの値を持ち、複数の寸法やパラメータを一括で制御するための仕組みです。たとえば「全建具の有効高さ」を 1 つのグローバルパラメータで持ち、各建具のパラメータをそれに紐づければ、グローバルパラメータを変えるだけで一斉に更新できます。寸法どうしの関係(「この寸法は常にこの寸法の半分」など)を式で持たせることもでき、設計の意図(ルール)をモデルに組み込む手段として有用です。
7連携実装での見極め方
パラメータを扱うときは、「種類」「スコープ」「データ型」を意識すると事故が減ります。
共有か、プロジェクトか、組込みか。書き込み可否や連携での扱いやすさが変わる。
タイプか、インスタンスか。書き換えると全インスタンスに波及するかどうかが決まる。
長さ・面積・整数・文字列・Yes/No など。単位(内部単位)の扱いに注意。
これらの属性を集計・出力する代表的な機能が集計表です。パラメータが実際にどう表に集約されるかは スケジュール表(集計表) を参照してください。
→次に読む
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