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UE5のライティング基礎|ライトの種類・Lumen・モビリティの違い

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UE5(Unreal Engine 5)のライティング(Lighting)とは、シーンの光と影を設定して見た目を作る仕組みです。どこから・どんな色や強さの光を当て、どこに影を落とすかを決めることで、空間の立体感や時間帯、雰囲気が生まれます。同じ3Dモデルでも、ライティング次第で印象は大きく変わります。この記事では、ライトの種類、UE5のリアルタイムGI(グローバルイルミネーション)であるLumen、ライトの「モビリティ」の違いといった基礎を順に解説します。

この記事の要点
  • ライティングは「光源を置いて、光と影で見た目を作る」工程。
  • 主なライトはDirectional(太陽など)、Point、Spot、Rect、Sky Lightの5種類。
  • Lumenは、間接光や反射をリアルタイムで計算するUE5標準のGIシステム。事前計算(ベイク)なしで間接光を得やすい。
  • 各ライトにはStatic / Stationary / Movableという「モビリティ(可動性)」があり、品質・実行時の変更可否・負荷が変わる。
  • 静的(Static)寄りの構成ではライティングのビルド(ベイク)が必要。Lumen中心なら基本的にリアルタイムで処理される。
  • 「暗い」「思った通りにならない」の多くは、ビルド未実行・露出(Exposure)・Lumen設定・モビリティ選択のいずれかが原因。

ライティングとは

ライティングは、シーンに光源(ライト)を配置し、その光がオブジェクトに当たって生じる明るさ・色・影を作り込む作業です。UE5は物理ベースレンダリング(PBR)を採用しており、光の強さや色を物理的な単位(明るさを表すルクスやルーメン、色味を表す色温度など)で扱えるようになっています。これにより、現実に近い見た目を再現しやすくなっています。

ライティングには大きく分けて、ライトから直接当たる直接光と、壁や床に当たった光が跳ね返って周囲を照らす間接光(バウンス光)があります。間接光は、光が当たった面の色を拾って周囲ににじませる「カラーブリード」などのリアルな効果を生みますが、計算が重くなりがちな部分でもあります。この間接光をどう処理するかが、後述するLumenやモビリティの話につながります。

ライトの種類

UE5には用途の異なる複数のライトが用意されています。代表的なものは次の5種類です。これらはいずれもLumenでの利用に対応しているとされています。実際の挙動やパラメータの詳細は、利用中のバージョンの公式ドキュメントもあわせて確認することをおすすめします。

ライトの種類 光り方のイメージ 主な用途
Directional Light(方向光)非常に遠くから平行光を一方向に照射。位置より「向き」が重要。太陽・月など、屋外シーン全体の主光源。
Point Light(点光源)1点からあらゆる方向へ放射。電球のような光。ランプ、ろうそく、室内の局所的な照明。
Spot Light(スポットライト)1点から円錐状に範囲を絞って照射。角度を調整可能。懐中電灯、舞台照明、特定の対象を照らす演出。
Rect Light(矩形光源)長方形の面から一方向へ発光。面光源らしい柔らかい光。窓、テレビ、照明パネルなど面状の光。
Sky Light(スカイライト)シーンの背景(空やHDRIなど)を取り込み、環境光として全体に適用。空からの回り込み光、屋外や開口部付近の全体的な明るさ補助。

一般的には、屋外ではDirectional LightとSky Lightを組み合わせて全体の基礎を作り、Point・Spot・Rect Lightで局所的な照明やアクセントを足していく、という使い分けがよく行われます。

Lumen ― UE5のリアルタイムGI

Lumenは、UE5に搭載された動的なグローバルイルミネーション(GI)および反射のシステムです。GIとは間接光(バウンス光)を扱う仕組みのことで、Lumenはこれをリアルタイムに計算します。新規プロジェクトでは標準で有効になっていることが多く、設定によってはライティングを事前計算(ベイク)しなくても、間接光や反射を含む自然な見た目を得やすいのが特徴です。

従来、間接光は時間をかけて事前計算し、結果をテクスチャ(ライトマップ)に焼き込むのが一般的でした。この方式は高品質な反面、光源を動かすと作り直しが必要になります。Lumenは光源やオブジェクトが動いても間接光や反射が追従して更新されるため、時間帯が変化するシーンや動的なライト演出と相性が良いとされています。

一方で、リアルタイムにGIを計算する分、ハードウェアへの負荷や対応環境の制約があります。プロジェクトの目標品質・対象プラットフォーム・パフォーマンス要件によって、Lumenを使うか、従来のベイク方式を使うかは検討が必要です。詳細な動作条件や対応状況は、利用するUE5バージョンの公式ドキュメントで確認してください。

モビリティ ― Static / Stationary / Movable の違い

各ライトにはMobility(モビリティ=可動性)という設定があり、Static・Stationary・Movableの3つから選びます。これは「実行中にライトをどこまで変更できるか」「光と影をどう計算するか」を決める重要な設定で、品質・実行時の自由度・負荷のバランスに直結します。

モビリティ 計算のタイミング 実行時の変更 傾向
Static(静的)ビルド時に事前計算(ベイク)してライトマップへ保存。実行中は固定。基本的に不可。実行時の負荷を抑えやすい。動かせない。
Stationary(固定)直接光は動的、間接光・一部の影は事前計算という併用型。色や強さなど一部のみ変更可。品質と負荷のバランス型。重なり数に制限がある。
Movable(可動)すべて実行時に動的計算。位置・色・強さなど全プロパティを変更可。最も柔軟だが負荷は高め。多用に注意。

ざっくり言えば、Staticは「動かさない代わりに軽い」、Movableは「自由に動かせる代わりに重い」、Stationaryはその中間です。Stationaryには、1つのオブジェクトに重ねられる数に上限があるなどの制約がある点にも注意してください。なお、Lumenを中心に使う場合は、間接光をLumenがリアルタイムに担うため、運用や設定の考え方が従来のベイク前提とは変わってきます。具体的な組み合わせはバージョンや設定により異なるため、公式情報の確認を推奨します。

ライティングのビルド(静的)とリアルタイム(Lumen)

ライティングの結果を得る方法は、大きく「事前計算(ビルド/ベイク)」と「リアルタイム」に分かれます。

  • ビルド(静的):Static・Stationaryを使う構成では、エディタでライティングのビルド(Build Lighting)を実行し、間接光や影をライトマップへ焼き込みます。ビルドしていないと、暗いままだったり「ライティングが古い(再ビルドが必要)」といった警告が出たりします。高品質を時間をかけて作り込めますが、シーンを変えるたびに再ビルドが必要です。
  • リアルタイム(Lumen):Lumen中心の構成では、間接光や反射が実行時に計算されるため、原則としてベイクのビルド作業に頼らずに済みます。光源やシーンの変化に追従しやすい一方、実行時の負荷を意識した設定が必要です。

どちらが正解ということはなく、プロジェクトの方針(動的な表現を重視するか、負荷を抑えたいか)に応じて選びます。

露出(Exposure)とポストプロセス

最終的な明るさの見え方には、ライトそのものだけでなく露出(Exposure)ポストプロセスも関わります。UE5には、カメラのように明るさへ自動で順応する自動露出(オートエクスポージャー、アイアダプテーション)の仕組みがあり、これが効いていると、暗い場所では自動的に明るく、明るい場所では暗めに補正されます。

この自動補正は便利ですが、「ライトを強くしたのに明るさが変わらない」「シーンが妙に明るい/暗い」と感じる原因になることもあります。Post Process Volumeを使えば、露出の上限・下限を固定したり、色味やコントラスト、ブルームなどを調整して、シーン全体のルックを整えられます。ライティング調整がうまくいかないと感じたら、ライトの値だけでなく露出設定も合わせて確認すると原因を切り分けやすくなります。

よくある落とし穴

ライティングで「暗い」「思った通りにならない」とき、原因は光源そのものより設定にあることが少なくありません。代表的なポイントを挙げます。

症状 よくある原因と確認ポイント
シーンが暗い/影が真っ黒Static・Stationary構成でライティングのビルド(ベイク)が未実行。まずビルドを実行し、警告が出ていないか確認する。
明るさが安定しない/調整が効かない自動露出(Exposure)が補正している可能性。Post Process Volumeで露出を固定して切り分ける。
間接光や反射が出ない・不自然Lumenが無効、または対応環境・設定の条件を満たしていない可能性。プロジェクト設定とバージョンの対応状況を確認する。
ライトを動かしたいのに動かせないモビリティがStaticになっている。動的に変えたいライトはStationaryまたはMovableに変更する。
動作が重い・カクつくMovableライトや影付きライトの多用が原因のことがある。必要箇所を絞り、モビリティや影の設定を見直す。

よくある質問(FAQ)

Q. Lumenを使えば、ライティングのビルドは一切不要ですか?
A. Lumen中心の構成では間接光がリアルタイムに計算されるため、従来のようなベイクのビルドに頼らずに進めやすくなります。ただしStaticなどベイク前提の要素を併用する場合はビルドが関わることもあり、プロジェクトの構成しだいです。詳しくは利用バージョンの公式ドキュメントを確認してください。

Q. モビリティは結局どれを選べばよいですか?
A. 一概には言えませんが、目安として「動かさず負荷を抑えたい」ならStatic、「色や強さを実行時に少し変えたい」ならStationary、「位置や色を自由に動かしたい」ならMovable、という選び方が基本です。負荷と表現の要件を見ながら、ライトごとに使い分けるのが現実的です。

Q. ライトを強くしてもシーンが明るくなりません。なぜ?
A. 自動露出(Exposure)が明るさを補正している場合があります。Post Process Volumeで露出を固定したうえでライトの強さを調整すると、変化が分かりやすくなります。あわせて、ビルド未実行やモビリティ設定も確認すると原因を切り分けやすくなります。

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