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UE5のレイヤー(Layers)とは|アクター整理とData Layerとの違い

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Unreal Engine 5(UE5)のレイヤー(Layers)とは、レベル内のアクターをグループ化して、エディタ上での表示/非表示や選択を一括で管理するための整理機能です。専用の「レイヤー(Layers)」パネルから、関連するアクターを任意のレイヤーにまとめておくことで、煩雑になりがちなシーンを素早く見通しよく操作できます。レイヤーはあくまでエディタ作業を効率化するための仕組みであり、後述するワールドパーティションの「データレイヤー(Data Layers)」とは役割が異なる点に注意が必要です。

この記事の要点
  • レイヤーは、アクターをグループ化してエディタ上の表示/選択を一括管理するための整理機能。
  • 「レイヤー(Layers)」パネルでレイヤーを作成し、選択したアクターを割り当てて使う。
  • 1つのアクターを複数のレイヤーに所属させることもできる。
  • レイヤー単位で表示/非表示の切り替えや、ビューポートでの選択ロックが可能。
  • ワールドパーティションのデータレイヤー(Data Layers)とは別物。レイヤーは主にエディタ整理用で、ランタイムのロード制御には使われない。
  • 大量のアクターを扱う大規模シーンの整理用途に向く。

レイヤー(Layers)とは何か

レイヤーは、レベルに配置したアクターを名前付きのグループにまとめ、まとめた単位でエディタ上の表示状態や選択を扱えるようにする機能です。たとえば「建物」「植生」「ライティング」「コリジョン用ボリューム」といったように役割ごとにレイヤーを分けておくと、作業中に不要なものを一時的に隠したり、特定グループだけをまとめて選択したりしやすくなります。

UE5では、レイヤーは「レイヤー(Layers)」パネルから管理します。パネルは上部メニューの「ウィンドウ(Window)」などから開くことができ、現在のレベルに存在するレイヤーの一覧と、各レイヤーに含まれるアクターを確認できます。公式ドキュメントでは、レイヤーは「関連するアクターのグループを素早く選択し、表示状態を制御するための機能」と説明されています。

レイヤーの大きな特徴として、1つのアクターを複数のレイヤーに所属させられる点が挙げられます。たとえば、あるアクターを「屋外オブジェクト」と「破壊可能オブジェクト」の両方に含めておく、といった重複した分類が可能です。これにより、視点の異なる複数の整理軸を同時に持たせられます。

なお、レイヤーは「整理のための補助機能」という位置づけです。アクターの親子関係やトランスフォーム、ゲーム内での挙動そのものを変えるものではなく、あくまでエディタ上での見やすさ・選びやすさを高めるためのツールと捉えておくとよいでしょう。配置作業が進んで数百・数千といった単位のアクターがレベルに並ぶようになると、アウトライナーの一覧だけでは目的のアクターを探すのが難しくなります。レイヤーは、そうした状況でも「今は関係のないものを隠し、扱いたいものだけを浮かび上がらせる」ための実用的な手段になります。

また、レイヤーパネルには検索(フィルタリング)機能が用意されており、レイヤー名で絞り込んで目的のレイヤーへ素早くたどり着けます。レイヤーが増えてくるほど、説明的な命名と検索の組み合わせが効いてくるため、最初から分かりやすい名前を付けておく運用が推奨されます。

レイヤーの基本的な使い方

レイヤーの基本的なワークフローは、「レイヤーを作る」→「アクターを割り当てる」→「レイヤー単位で表示や選択を制御する」という流れになります。一般的な手順は次のとおりです(メニュー名やUIはUEのバージョンによって細部が異なる場合があるため、実機での確認を推奨します)。

  1. レイヤーパネルを開く:上部メニューの「ウィンドウ(Window)」からレイヤーパネルを表示します。
  2. アクターを選択する:ビューポートまたはアウトライナーで、グループ化したいアクターを選びます。
  3. レイヤーを作成して割り当てる:レイヤーパネル内で右クリックし、「選択中のアクターを新規レイヤーに追加(Add Selected Actors to New Layer)」などの項目を選ぶと、選択したアクターを含む新しいレイヤーが作成されます。
  4. レイヤーに名前を付ける:作成したレイヤーには、内容が一目で分かる説明的な名前を付けます。たとえば床に散らばる小物をまとめたレイヤーなら「Ground Clutter」のように命名すると、後から検索や絞り込みがしやすくなります。
  5. 既存レイヤーへの追加:別のアクターを既存のレイヤーに加えたい場合は、対象アクターを選択した状態で、目的のレイヤーを右クリックして「選択中のアクターを選択レイヤーに追加(Add Selected Actors to Selected Layers)」を選びます。

レイヤーへの割り当てが済むと、レイヤーパネル上の各レイヤーに表示された目(可視性)のアイコンなどを使って、レイヤー単位で表示/非表示を切り替えられます。特定のレイヤーだけを表示して作業に集中したり、逆に作業の邪魔になるレイヤーをまとめて隠したりできます。

さらに、レイヤーパネルからレイヤーに含まれるアクターをまとめて選択することもできます。多数のアクターを毎回ビューポートで囲んで選ぶ手間が省け、「このレイヤーのアクターだけを一括で移動・複製・編集する」といった操作が行いやすくなります。レイヤー単位での選択ロック(誤って動かさないようにする運用)と組み合わせれば、編集中のレイヤー以外を保護しながら作業を進められます。

World Partition の Data Layer との違い

UE5では、ワールドパーティション(World Partition)を有効にしたレベルでデータレイヤー(Data Layers)という別の機能が使えます。名前が似ているため混同されがちですが、レイヤーとデータレイヤーは目的が異なります。公式ドキュメントでは、データレイヤーはUE4時代のレイヤーに相当する整理の仕組みを発展させたものとされ、特にアクターをいつロード/アンロードするかを管理できる点が大きな違いです。

データレイヤーには大きく分けて、エディタ上での整理のみに使うエディタ用データレイヤー(Editor Data Layer)と、ゲーム実行中(ランタイム)にアクター群のロード/アンロードを制御できるランタイム用データレイヤー(Runtime Data Layer)があります。ランタイム用データレイヤーを使うと、たとえば同一レベル内に「昼/夜」「破壊前/破壊後」といった複数のバリエーションを持たせ、状況に応じて切り替えるといった活用ができます。一方、通常のレイヤーはエディタ作業の整理に特化しており、こうしたランタイムの制御は担いません。

観点 レイヤー(Layers) データレイヤー(Data Layers)
主な目的エディタ上でのアクター整理・表示/選択の管理アクター群のロード/アンロード制御を含む整理
効果が及ぶ範囲主にエディタ作業時エディタ用とランタイム用があり、ランタイムにも作用しうる
ランタイムへの影響基本的になし(実行中のロード制御はしない)ランタイム用ならゲーム実行中のロード/アンロードを制御
前提ワールドパーティション非依存で利用可能ワールドパーティション有効化が前提
主な用途大量アクターの整理、表示の絞り込み、一括選択大規模ワールドのストリーミング管理、バリエーション切替

整理すると、「エディタでの作業を見やすく・選びやすくしたい」場合はレイヤー、「ワールドパーティションで広大なレベルのアクターをいつ読み込むか制御したい」場合はデータレイヤー、という使い分けになります。両者は併用も可能ですが、役割を取り違えると期待した結果になりません。たとえば「レイヤーで非表示にしておけば実行時にも読み込まれないだろう」と考えてレイヤーに頼ってしまうと、想定どおりに動かない可能性があります。ストリーミングやメモリ管理に関わる制御は、レイヤーではなくデータレイヤーやワールドパーティションの仕組み側で設計するのが基本です。

主な用途

レイヤーは、特に大量のアクターを扱う大規模なシーンの整理で効果を発揮します。代表的な活用シーンは次のとおりです。

  • 役割ごとの分類:建物・地形・植生・ライト・エフェクト・コリジョン用ボリュームなどをレイヤーで分け、必要なものだけを表示して作業する。
  • 作業の絞り込み:編集対象でないレイヤーをまとめて非表示にし、ビューポートを整理して目的のアクターに集中する。
  • 一括選択・一括編集:同じ種類のアクターをレイヤー単位でまとめて選択し、移動・複製・プロパティ変更などをまとめて行う。
  • 誤操作の防止:編集中でないレイヤーの選択をロックし、配置済みのアクターを誤って動かさないようにする。

こうした整理は、複数人で1つのレベルを編集するチーム作業でも役立ちます。担当領域ごとにレイヤーを分けておけば、各メンバーが自分の担当レイヤーだけを表示して作業しやすくなります。ただし、レイヤーはあくまで整理の補助であり、複数人での同時編集そのものを安全に行うための排他制御(ロック運用やバージョン管理)とは別の仕組みである点には留意してください。

使う際の落とし穴・注意点

落とし穴 内容と対策
Data Layer と混同する名前が似ているため取り違えやすい。レイヤーはエディタ整理用、データレイヤーはワールドパーティション前提でロード制御も担う別機能。目的に応じて使い分ける。
ランタイムに効くと誤解するレイヤーでの非表示はエディタ上の表示制御であり、ゲーム実行中のアクターのロードや可視性をそのまま制御するものではない。実行時の制御が必要ならデータレイヤーなど別の仕組みを検討する。
整理目的を超えた使い方レイヤーは整理・作業効率化のための補助機能。ゲームロジックやアクターの挙動制御をレイヤーに依存させる設計は避け、本来の用途に絞って使う。
命名を疎かにする既定名のまま放置するとレイヤーが増えたときに区別できなくなる。内容が分かる説明的な名前を付け、検索・絞り込みを活用する。

これらの注意点の根底にあるのは、「レイヤーはエディタ作業を整理するための機能である」という基本です。役割を正しく理解したうえで、ランタイム制御や大規模ストリーミングが必要な場面ではワールドパーティションとデータレイヤーを検討する、という切り分けを意識しておくと混乱を避けられます。

よくある質問(FAQ)

Q1. レイヤーで非表示にしたアクターは、ゲーム実行時にも消えますか?
レイヤーパネルでの表示/非表示は、基本的にエディタ上の表示制御です。実行中のアクターの表示やロードをそのまま制御する目的の機能ではありません。実行時に表示状態やロードを切り替えたい場合は、データレイヤー(ランタイム用)やアクター側の可視性設定など、別の仕組みを検討してください。挙動はバージョンや設定によって異なる場合があるため、実機での確認を推奨します。

Q2. 1つのアクターを複数のレイヤーに入れられますか?
はい。レイヤーは1つのアクターを複数のレイヤーに所属させることができます。「屋外」「破壊可能」のように、異なる整理軸を同時に持たせたい場合に便利です。

Q3. レイヤーとデータレイヤーはどう使い分ければよいですか?
エディタでの整理や表示の絞り込み、アクターの一括選択が目的ならレイヤーが適しています。ワールドパーティションを有効にした大規模レベルで、アクター群のロード/アンロードやバリエーション切り替えを制御したい場合はデータレイヤーが適しています。両者は併用も可能ですが、目的を取り違えないようにしましょう。

Q4. レイヤーパネルが見当たりません。どこから開けますか?
レイヤーパネルは、エディタ上部の「ウィンドウ(Window)」メニューなどから開けるのが一般的です。メニュー構成や名称はUEのバージョンによって異なることがあるため、見つからない場合はメニュー内を検索するか、公式ドキュメントで使用中のバージョンに対応した手順を確認してください。

Q5. 多数のアクターを後からまとめてレイヤーに追加できますか?
できます。ビューポートやアウトライナーで対象のアクターを複数選択した状態で、レイヤーパネルから既存レイヤーへの追加、または新規レイヤーの作成を行えば、選択したアクターをまとめて割り当てられます。1つのアクターは複数のレイヤーに所属できるため、後から整理軸を追加していく運用も可能です。

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