木・鉄・コンクリート、何で骨組みを作るか
建物を支える骨組みを、どんな材料で組み立てるか。その選び方ひとつで、建てられる規模・コスト・工期・火に対する強さが大きく変わります。代表的な4つの構造種別を、特徴と向き不向きから整理します。
この記事の要点
- 主要な構造種別は木造(W造)・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造(S造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の4つ
- 使う材料と組み立て方が違うため、適する規模・コスト・工期・耐火性が変わる
- 小規模住宅は木造、中層の集合住宅・店舗はRC造、高層や大空間はS造・SRC造が一般的
- 1つの建物で複数の構造を併用する混構造もある
- BIMでは構造種別ごとに柱・梁などのカテゴリと材質情報を持つため、種別の理解がモデルを読む前提になる
建築構造とは、建物の重さや地震・風などの力を支える骨組みのことです。どの材料でその骨組みを作るかによって、建物の性能やコスト、設計・施工の進め方が大きく変わります。この記事は 構造・材料・設備 カテゴリの入口として、代表的な4つの構造種別を、特徴と向き不向きの観点から比較します。なお各構造の特徴を整理することが目的で、構造計算(応力やたわみの計算)には踏み込みません。
14つの代表的な構造種別
まずは4種別の全体像を、材料と性格の違いからつかみましょう。
- 柱・梁などの骨組みを木材で構成
- 軽量・安価・加工しやすい
- 在来軸組工法(柱・梁・筋かい)と枠組壁工法(ツーバイフォー)
- 耐火性・腐朽・シロアリへの対策が必要
- 圧縮に強いコンクリートと引張に強い鉄筋を組み合わせる
- 耐火性・耐久性・遮音性に優れる
- マンション・学校・オフィスなど中層で広く使う
- 重く、工期はやや長め
- 鋼材で骨組みを作る
- 細い部材で大スパンを取れる
- 倉庫・工場・体育館や高層に適する
- 熱に弱く耐火被覆が必要、振動・錆にも配慮
- 鉄骨の周囲に鉄筋を配しコンクリートで固める
- S造の強度・粘りとRC造の耐火・剛性を両立
- 高層建物や重要施設に使われてきた
- 施工が複雑でコストが高い
2それぞれの中身を詳しく
木造(W造)は柱・梁などを木材で構成する構造で、Wood の頭文字から W造とも呼ばれます。日本の戸建て住宅で最も多く使われ、軽量で加工しやすくコストを抑えられます。柱と梁で支える「在来軸組工法」は間取りの自由度が高く、壁・床のパネル(面)で支える「枠組壁工法(ツーバイフォー)」は規格化された木材(断面が2インチ×4インチなど)と合板で面を作り、施工を標準化しやすいのが特徴です。近年は CLT(直交集成板)や集成材など、より大きな建物に使える木質材料も登場し、中層の木造建築も増えています。
RC造は、押しつぶす力に強い反面、引っ張る力に弱くひび割れやすいコンクリートを、引張に強い鉄筋が補う構造です。コンクリートが鉄筋を覆うことで耐火性・耐久性が高く、型枠で自由な形に成形できるため曲面やデザイン性の高い形状にも対応できます。S造は鋼材で骨組みを作る構造で、圧縮にも引張にも強く部材を細くしても大きな力を支えられるため、柱と柱の間隔(スパン)を広く取れます。鉄骨には断面がH形のH形鋼や、角形・円形の鋼管などがあります。SRC造は両者の長所を併せ持ちますが、近年は鋼材や設計技術の向上により、高層でもS造が選ばれることが増えています。
3構造種別の比較表
4種別を、材料・適する規模・長所・短所で一覧にすると違いがはっきりします。
| 構造 | 主材料 | 適する規模 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|---|
| 木造(W造) | 木材 | 低層住宅 | 軽量・安価・加工しやすい | 耐火性・耐久性に対策が必要 |
| RC造 | 鉄筋+コンクリート | 低〜中層 | 耐火・耐久・遮音に優れる | 重く工期が長め |
| S造 | 鋼材 | 中〜高層・大空間 | 大スパン・工期が短い | 熱に弱く耐火被覆が必要 |
| SRC造 | 鋼材+鉄筋+コンクリート | 高層・重要施設 | 強度と耐火性を両立 | 施工が複雑でコスト高 |
4混構造という選び方
1つの建物の中で複数の構造を組み合わせることもあり、これを混構造と呼びます。たとえば店舗併用住宅で1階をRC造、2階以上を木造にするケースや、大空間の屋根だけS造にするケースなどです。
1階RC+上階木造、屋根だけS造など、各構造の長所を活かして使い分ける
異なる構造のつなぎ目では、力の伝わり方や変形のしかたの違いに配慮が要る
適材適所のために、まずは構造種別ごとの性格を理解しておくことが役立ちます。
構造種別とBIMの関係
BIMソフトである Revit では、柱・梁・床などの部材を「構造カテゴリ」として扱い、それぞれに材質(木・コンクリート・鋼)を設定します。つまり構造種別の知識は、モデル上でどの部材の型(ファミリ)を使い、どんな材質情報を持たせるかという判断に直結します。種別ごとの部材構成を理解しておくと、モデルから拾い出す数量(コンクリート体積・鋼材重量・木材量など)の意味も正しく読み取れます。
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- 建築構造の種類(木造・RC造・S造・SRC造)
- 主要構造部
- 基礎の種類
- 荷重と力の流れ
- 主要建築材料
- 建築設備(MEP)とは
- 設備とBIM(干渉チェック)
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