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UE5のBasicとOpen Worldテンプレートの違い|World Partitionと使い分け

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Unreal Engine 5(UE5)で新しいレベルを作成する際の「基本(Basic)」テンプレートと「オープンワールド(Open World)」テンプレートの最大の違いは、World Partition(ワールドパーティション)による大規模ストリーミング機構が最初から有効になっているかどうかです。基本テンプレートは床・ライティング・大気・指数フォグといった最小限の要素だけを持つコンパクトな出発点であるのに対し、オープンワールドテンプレートは広大なランドスケープとWorld Partitionをあらかじめ組み込んだ、大規模マップ向けの構成になっています。本記事では両者の構成・用途・選び方を、公式ドキュメントの記述に沿って整理します。

この記事の要点
  • 基本テンプレートは、床平面・ライティング・大気・指数フォグを備えた最小構成。小規模なレベルやプロトタイプ向け。
  • オープンワールドテンプレートは、World Partitionが有効化され、サンプルのランドスケープ(おおむね2km四方)と屋外向けのライティングを含む大規模マップ向け構成。
  • 決定的な差はWorld Partitionの有無。広大なマップを自動でセル分割し、必要な範囲だけを読み込む(ストリーミングする)仕組みが組み込まれているかどうかが分かれ目になります。
  • 小規模・室内・単一シーンなら基本テンプレート、広いフィールドや大規模オープンワールドならオープンワールドテンプレートが目安です。
  • このほかに、World Partition付きで中身が空の「空のオープンワールド」、何も含まない「空のレベル(Empty Level)」も選べます。

「基本(Basic)」テンプレートの特徴

「基本」テンプレートは、公式ドキュメントでは「床平面・ライティング・大気・指数フォグを備えたレベル」と説明されています。新しいレベルを手早く立ち上げ、すぐにアクターの配置やテストを始められるよう、必要最小限の要素だけがそろった構成です。

主な構成要素の目安:

  • 床平面(フロア): 物を置いたり歩かせたりするための基準となる平らな面。
  • ライティング: シーンを照らす基本的な光源。
  • 大気(Sky Atmosphere 系)と指数フォグ: 空の表現と奥行き感を与える環境エフェクト。

ランドスケープ(地形)やサンプルのオープンワールド用コンテンツは含まれず、World Partitionによる大規模ストリーミングを前提とした構成にもなっていません。そのぶん軽量で見通しがよく、小規模なレベルデザイン、室内シーン、機能検証用のプロトタイプなどに向いています。

基本テンプレートが扱いやすいのは、シーン全体が一度に読み込まれる前提のため、配置したアクターがそのまま見えていて挙動を追いやすい点です。ライティングや空、フォグといった環境表現の土台が用意されているため、明るさや雰囲気の調整を最初から行いつつ、ゲームプレイの検証やマテリアルの確認に集中できます。広大なマップを作る予定がないプロジェクトでは、不要な要素を抱え込まずに済むこの構成が出発点として適しています。

「オープンワールド(Open World)」テンプレートの特徴

「オープンワールド」テンプレートは、公式ドキュメントでは「World Partition機能を用いて、広大でストリーミング可能なオープンワールドを作るための、サンプルコンテンツ入りのレベル」と説明されています。広いフィールドを扱うプロジェクトの出発点として、必要な仕組みと素材があらかじめ組み込まれている点が特徴です。

主な構成要素の目安:

  • World Partition が有効: 広大なマップを格子状のセルに自動分割し、プレイヤーや視点の近くにある範囲だけを読み込む(ストリーミングする)仕組みが最初から組み込まれています。
  • サンプルのランドスケープ: 屋外環境を想定した広いランドスケープ(おおむね2km四方規模のサンプル)が配置されており、地形編集の出発点として使えます。
  • 屋外向けのライティング・空・大気: 屋外シーンを前提としたライティングや空の設定が含まれます。

これにより、広大なマップを一から構築・設定する手間を省き、大規模なオープンワールドゲームや、広いフィールドを必要とするシーンの制作にすぐ取りかかれます。なお、サンプルの具体的なアセット構成やランドスケープのサイズは、UE5のバージョンによって変わる場合があるため、実際に使用するエンジンのバージョンで確認することをおすすめします。

World Partitionは、広いマップを格子状の領域に分け、エディタ上では作業したい領域だけを読み込んで編集できるようにする仕組みでもあります。これにより、巨大なマップであってもメモリの負荷を抑えながら制作を進めやすくなります。あわせて、遠景を簡略化して表示するHLOD(階層的LOD)や、地形や植生などを論理的なまとまりで管理するデータレイヤーといった、大規模ワールド向けの機能と組み合わせて使うことが想定されています。オープンワールドテンプレートは、こうした大規模制作のワークフローに沿った状態で始められるよう整えられた出発点だと考えると分かりやすいでしょう。

比較表:基本 と オープンワールド の違い

観点基本(Basic)オープンワールド(Open World)
World Partition前提としていない(最小構成)有効化済み
初期に含まれる要素床平面・ライティング・大気・指数フォグサンプルのランドスケープ・屋外向けライティング・空など
想定する規模小規模〜中規模の単一シーン広大なマップ(数km規模)
ストリーミング大規模ストリーミングは前提でないセル単位の自動ストリーミングが前提
主な用途プロトタイプ・室内・小規模レベルオープンワールド・広いフィールド
立ち上げ後の状態軽量ですぐ編集を始めやすい地形・環境がそろった状態から開始

どちらを選ぶべきか?

プロジェクトの規模と目的に合わせて選ぶのが基本的な考え方です。

「基本」テンプレートが向いているケース:

  • 小規模なゲームやプロトタイプを素早く作りたい場合。
  • 室内や単一のシーンなど、限られた範囲を作る場合。
  • 余計な要素を含まない軽量な状態から、自分で構成を組み立てたい場合。

「オープンワールド」テンプレートが向いているケース:

  • 広大なフィールドを持つゲームや風景を開発する場合。
  • World Partitionによるストリーミングを活用し、大規模な環境を効率的に管理したい場合。
  • ランドスケープや屋外ライティングがそろった状態から制作を始めたい場合。

迷う場合は「現時点でマップが数km規模に広がる見込みがあるか」を一つの目安にすると判断しやすくなります。明確に広大なワールドを想定しているならオープンワールド、そうでなければ基本から始め、必要に応じて構成を足していく進め方が扱いやすいでしょう。

制作の進め方から見た違い

同じ「新しいレベルを作る」操作でも、選んだテンプレートによってその後の作業の流れは変わってきます。基本テンプレートでは、レベル全体が常に読み込まれている前提で作業を進めるため、配置・調整・確認の手順がシンプルです。光源やフォグを微調整しながら、アクターを置いて動作を確かめる、といった反復が直感的に行えます。少人数や個人での開発、学習目的のシーン作りなど、まず動くものを手早く形にしたい段階で扱いやすい構成です。

一方オープンワールドテンプレートでは、マップが広大であることを前提に、どの領域を読み込んで編集しているかを意識する場面が増えます。広い地形にランドスケープを盛り、植生やオブジェクトを配置し、必要に応じて遠景の表示を最適化する——といった、規模に対応するための工程が中心になります。複数人で領域を分担して作業するような大規模制作にも適した構成です。どちらが「優れている」というものではなく、作ろうとしているものの規模に手順が合っているかどうかが選択の基準になります。

その他のテンプレート

新規レベル作成のダイアログには、上記2つ以外にも選択肢があります。代表的なものを挙げます。

  • 空のオープンワールド(Empty Open World): World Partitionは使うものの、サンプルコンテンツを含まないレベル。大規模マップの仕組みは欲しいが、地形や素材は一から自分で用意したい場合に向いています。
  • 空のレベル(Empty Level): 何も含まないレベル。床も光もない完全な白紙の状態から、すべて自分で構築したい場合に使います。

用意されている具体的なテンプレートの種類や名称は、UE5のバージョンによって追加・変更されることがあります(過去には時間帯設定付きのテンプレートが存在した時期もあります)。利用中のバージョンのダイアログ表示を確認してください。

注意したい落とし穴

つまずきやすいポイント
オープンワールドはWorld Partition前提
オープンワールドテンプレートは、セル単位のアンロードやストリーミングが行われることを前提に設計されています。仕組みを理解しないまま使うと、編集中に意図しない範囲が読み込まれていなかったり、配置したアクターが見当たらないように感じたりすることがあります。どのセル(リージョン)が読み込まれているかを意識して作業する必要があります。
小規模プロジェクトには過剰になりがち
広いマップを必要としない小規模なシーンにオープンワールドテンプレートを使うと、ランドスケープやWorld Partitionの管理が手間に対して見合わない「過剰構成」になりやすいです。小さなシーンであれば基本テンプレートのほうが扱いやすく、見通しもよくなります。
後からの切り替えは慎重に
通常のレベルを後からWorld Partition対応へ変換することは可能ですが、変換は元に戻しにくい操作とされています。最初の段階でプロジェクトの規模を見極め、適切なテンプレートを選んでおくほうが安全です。変換を検討する際は、利用バージョンの公式情報や、事前のバックアップを確認しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 基本テンプレートでも、後からオープンワールドのように広大なマップを作れますか?

A. 仕組みのうえでは、通常のレベルを後からWorld Partition対応へ変換することが可能です。ただしこの変換は元に戻しにくい操作とされているため、最初から広大なマップが見込まれる場合は、オープンワールドテンプレートで始めておくほうが手戻りが少なく済みます。

Q2. オープンワールドテンプレートと「空のオープンワールド」はどう違いますか?

A. どちらもWorld Partitionを使う点は同じですが、「オープンワールド」はサンプルのランドスケープや屋外ライティングなどのコンテンツを含むのに対し、「空のオープンワールド」は中身を含まない空の状態です。仕組みだけ欲しい場合は後者、素材がそろった状態から始めたい場合は前者が向いています。

Q3. 室内だけのシーンを作りたい場合はどちらが良いですか?

A. 室内のように範囲が限られたシーンであれば、軽量な基本テンプレートが扱いやすいです。広大なランドスケープやストリーミングの仕組みは室内シーンでは活かしにくく、オープンワールドテンプレートはオーバースペックになりがちです。室内であっても複数の広いエリアをつなげて回遊させたい場合などは、規模を見極めたうえで構成を検討すると良いでしょう。

Q4. World Partition は必ずオープンワールドテンプレートでしか使えませんか?

A. いいえ。World Partitionはオープンワールド系テンプレートに最初から組み込まれているだけで、機能自体は他のレベルでも利用できます。サンプルの地形などが不要であれば「空のオープンワールド」を選ぶことで、コンテンツを含まずWorld Partitionだけが有効な状態から始められます。目的に応じて、含まれるコンテンツの有無と仕組みの有無を切り分けて選ぶとよいでしょう。

まとめ

「基本」テンプレートは床・ライティング・大気・指数フォグだけを備えた最小構成で、小規模なレベルやプロトタイプ向けです。「オープンワールド」テンプレートはWorld Partitionが有効化され、広大なサンプルランドスケープと屋外向けのライティングを含む、大規模マップ向けの構成です。両者の決定的な違いはWorld Partitionによる大規模ストリーミングが前提になっているかどうかであり、プロジェクトの規模と目的に合わせて選ぶことが、後々の作りやすさにつながります。テンプレートの細かな構成はUE5のバージョンによって変わることがあるため、最終的には利用中のバージョンで実際の内容を確認することをおすすめします。

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