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ルーター(router)完全ガイド(OSI第3層 / ルーティング / NAT / 家庭用 vs 業務用 / スイッチとの違い)

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この記事の要点
  • ルーターは OSI 第3層(ネットワーク層)で動作し、異なるネットワーク間でパケットを中継する機器
  • 宛先 IP アドレスを見てルーティングテーブルを引き、次のホップへ転送する
  • 家庭用ルーターは NAT / DHCP / Wi-Fi AP / ファイアウォール を兼ねるオールインワン
  • スイッチ(L2)が同じネットワーク内、ルーター(L3)がネットワークをまたぐ
  • 主要プロトコル: 静的ルート、RIP、OSPF、BGP(規模により使い分け)

ルーターとは

ルーター(router)は、異なるネットワーク同士を接続し、パケットを適切な経路に転送するネットワーク機器です。OSI 参照モデルの第3層(ネットワーク層)で動作し、宛先 IP アドレスを見て次にどこへ送るかを判断します。家庭の Wi-Fi ルーターから、インターネットの基幹を支えるキャリアグレードルーターまで、規模は大きく異なりますが原理は同じです。

ルーターの役割

役割内容
ルーティング宛先 IP に応じて次のホップを決定し転送
NAT(家庭用)LAN 側のプライベート IP を WAN 側のグローバル IP に変換
DHCP(家庭用)LAN 内端末に自動で IP アドレスを配布
パケットフィルタ不要 / 危険なパケットを破棄(簡易ファイアウォール)
QoS音声・動画など優先度の高い通信を優遇
VPN暗号化トンネルで拠点間 / リモートアクセス接続

動作イメージ

[ PC (192.168.1.10) ]
        │
        ▼
[ ルーター (192.168.1.1 / 203.0.113.5) ]   ← デフォルトゲートウェイ
        │   宛先IPを見てルーティングテーブルで判断
        ▼
[ インターネット ]
        │
        ▼
[ 目的のサーバ (93.184.216.34) ]

ルーティングテーブル

ルーターはルーティングテーブルと呼ばれる経路表を持ち、「宛先ネットワーク → 次のホップ」のマッピングを参照して転送先を決めます。Linux でも ip route で確認できます。

# Linux のルーティングテーブル
$ ip route
default via 192.168.1.1 dev eth0
192.168.1.0/24 dev eth0 proto kernel scope link src 192.168.1.10

# 意味
#   default                  → どこにも該当しない宛先は 192.168.1.1(ルーター)へ
#   192.168.1.0/24           → 同一LAN は eth0 から直接送る

スイッチ(L2)との違い

項目スイッチ(L2)ルーター(L3)
動作層第2層(データリンク)第3層(ネットワーク)
判断材料MAC アドレスIP アドレス
主な役割同じネットワーク内の中継ネットワーク間の中継
ブロードキャスト同じセグメント内に伝搬遮断する(境界になる)
典型用途オフィス内 LANLAN ↔ WAN、拠点間

ルーティングプロトコル

ルーターは静的に経路を設定することも、動的プロトコルで学習することもできます。

種類名前特徴規模
静的Static Route手動で設定。動的変化に追従しない小規模
距離ベクトルRIPホップ数で経路選択。15 ホップ上限小規模
リンクステートOSPFネットワーク全体の地図を学習中〜大規模
パスベクトルBGPAS 間(インターネット基幹)キャリア・大規模

家庭用ルーターの中身

市販の「Wi-Fi ルーター」は、実際には複数の機能を 1 台に詰め込んだ複合機器です。

  • ルーティング(WAN ↔ LAN)
  • NAT / NAPT(プライベート IP ↔ グローバル IP)
  • DHCP サーバ(LAN 端末に IP 自動配布)
  • L2 スイッチ(LAN ポート 4 つ程度)
  • Wi-Fi アクセスポイント(2.4GHz / 5GHz)
  • 簡易ファイアウォール(SPI、不正アクセス遮断)

NAT のしくみ(簡単に)

家庭の LAN 内の端末(プライベート IP)はインターネットに直接出られません。ルーターが送信元 IP とポート番号を変換して、自分のグローバル IP の名前で代理通信します。これが NAT(NAPT / IP マスカレード)です。これにより、1 個のグローバル IP で複数台の機器がインターネットを利用できます。

業務用との違い

項目家庭用業務用 / ISP 用
処理性能数百Mbps〜数Gbps数十〜数百 Gbps
動的ルーティング非対応 or 限定的OSPF / BGP 標準対応
冗長化なしVRRP / HSRP、二重化電源
管理Web UICLI(Cisco IOS、JUNOS 等)
価格数千〜数万円数十万〜数千万円

トラブルシュート

  • インターネットに出られないping 8.8.8.8 でルーターより外が通るか確認
  • 名前解決だけ失敗nslookup / dig で DNS を確認、ルーターの DNS 設定を見直す
  • 速度が出ない — QoS、Wi-Fi チャネル混雑、CPU 負荷を確認
  • 同じ LAN 内なのに通信できない — これはルーターでなくL2 スイッチ・VLAN 設定を疑う

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