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OSI参照モデル 物理層(第1層)とは:役割・伝送媒体・規格・代表機器まとめ

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この記事の要点
  • 物理層 (Physical Layer / 第1層) は OSI 参照モデルの最下層。ビット列をそのまま電気/光/電波信号に変換して伝送する
  • 取り扱う対象: ケーブル、コネクタ形状、ピン配置、電圧、光波長、変調方式
  • 代表規格: 1000BASE-T (Ethernet) / 10GBASE-SR / USB / RS-232C / IEEE 802.11 (Wi-Fi)
  • 代表機器: リピーター / ハブ / メディアコンバーター / 光ファイバ / NIC のトランシーバ部
  • データリンク層(第2層)に「ビット列」として届ければ役目は終了。誤り検出やアドレス制御は上位層の責任

物理層 (第1層) とは

物理層 (Physical Layer / Layer 1) は、OSI 参照モデルにおける最下層の階層です。データリンク層 (第2層) から渡されたビット列を、伝送媒体 (銅線・光ファイバ・電波) 上で物理的に表現できる信号 (電気/光/電波) に変換し、相手側まで届けることが唯一の役割です。

OSI 参照モデルでの位置づけ

名称役割代表プロトコル/機器
7アプリケーション層アプリ機能HTTP / FTP / SMTP
6プレゼンテーション層表現形式変換TLS / 文字コード
5セッション層セッション制御NetBIOS
4トランスポート層エンドツーエンド通信TCP / UDP
3ネットワーク層経路選択IP / ICMP / ルータ
2データリンク層隣接ノード間通信Ethernet / PPP / スイッチ
1物理層ビット列の信号伝送ケーブル / リピータ / ハブ / NIC

物理層が決める要素

カテゴリ具体例
機械的特性コネクタ形状(RJ-45、LC、SC)、ピン配置、ケーブル太さ
電気的特性電圧レベル、信号の立ち上がり時間、インピーダンス
機能的特性各ピン/線の用途(送信 / 受信 / クロック / 電源)
手続き的特性リンク確立シーケンス、オートネゴシエーション

代表的な物理層規格

カテゴリ規格媒体速度最大距離
有線 LAN (Ethernet 物理層)10BASE-TUTP Cat310 Mbps100m
100BASE-TXUTP Cat5100 Mbps100m
1000BASE-TUTP Cat5e/61 Gbps100m
10GBASE-SRマルチモード光ファイバ10 Gbps300m
無線 LANIEEE 802.11ac (Wi-Fi 5)5 GHz 帯電波最大 6.9 Gbps屋内 30m 程度
IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6)2.4/5 GHz 帯最大 9.6 Gbps屋内 30m 程度
シリアル / 周辺機器USB 3.2 Gen 2USB ケーブル10 Gbps1m
RS-232Cシリアルケーブル20 kbps 程度15m
WANSDH / SONET光ファイバOC-192 で 10 Gbps長距離

物理層で動く代表機器

機器役割
リピータ信号を増幅して中継。減衰した信号を元の波形に戻して再送出
ハブ (リピータハブ)複数ポートを持つリピータ。受信信号を全ポートに転送(衝突発生)
メディアコンバーター銅線 ↔ 光ファイバ の変換
NIC (LAN カード) のトランシーバ部ビット列を電気/光信号に変換
光ファイバ / Cat5e/6 ケーブル信号を伝える媒体そのもの

注意: スイッチングハブやルータは MAC / IP アドレスを見て転送先を決めるため、物理層ではなく 第2層 / 第3層 の機器です。

信号の符号化方式 (一例)

符号化方式使用例特徴
マンチェスタ符号10BASE-T1ビットを 2 つの遷移で表現、自己同期
4B/5B + NRZI100BASE-TX4 ビットを 5 ビットに拡張、直流成分を抑制
PAM-51000BASE-T5 値振幅で 4 対同時通信
OFDMWi-Fi (802.11a/g/n/ac/ax)多数のサブキャリアに分割伝送

物理層トラブルの典型

  • ケーブル断線・劣化 → リンクアップしない
  • コネクタ接触不良 → パケットロス、CRC エラー多発(第2層から見えるが原因は物理層)
  • 規格不一致(カテゴリ低いケーブルで 10Gbps) → 速度低下、リンクダウン
  • 電磁ノイズ → ビットエラー多発
  • 光ファイバ折損・汚れ → 受光レベル低下

これらは ethtoolshow interface での CRC エラー / 入力エラー数で発見しやすいトラブルです。

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