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VBAのIf文で複数条件を指定する方法|And・Or・Notの使い方

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VBAのIf文で複数条件を指定するには、条件をAnd(かつ)・Or(または)・Not(否定)の論理演算子でつないで If 条件1 And 条件2 Then のように書く。AndはすべてのTrueでTrue、OrはどれかがTrueでTrue、Notは真偽を反転させる。複数行で書く場合は最後に End If を付ける。

この記事の要点
  • And=両方(すべて)がTrueのときだけTrue。「AかつB」を表す。
  • Or=どちらか(いずれか)がTrueならTrue。「AまたはB」を表す。
  • Not=条件の真偽を反転する。「Aでない」を表す。
  • 条件を混在させるときは括弧で評価順を明示するのが安全。
  • 3つ以上の分岐は ElseIf を使うと読みやすい。
  • VBAのAnd/Orは短絡(ショートカット)評価をしない。左右の条件が必ず両方とも評価される点に注意。

VBAのIf文の基本

VBAのIf文は「条件がTrue(真)のときに処理を実行する」構文である。1行で書く形式と、複数行で書く形式(ブロックIf)がある。複数の条件を扱う場合は、可読性の高い複数行形式が基本となる。

If 条件 Then

    ' 条件がTrueのときの処理

End If

このとき「条件」には、比較演算子を使った式(例:x >= 10)を書く。VBAの主な比較演算子は次のとおり。等しいかどうかの比較は =(イコール1つ)である点に注意したい。

演算子 意味
= 等しい x = 10
<> 等しくない x <> 10
> / < より大きい / より小さい x > 10
>= / <= 以上 / 以下 x >= 10

And(かつ):すべての条件を満たすとき

And は、左右の条件が両方ともTrueのときだけ全体がTrueになる演算子である。「点数が80以上、かつ100以下」のように、複数の条件を同時に満たすかを判定したいときに使う。

Dim score As Long

score = Range("A1").Value

 

If score >= 80 And score <= 100 Then

    MsgBox "合格(80〜100点)"

End If

この例では、A1の値が80以上で、なおかつ100以下のときだけメッセージが表示される。どちらか一方でも満たさなければ全体はFalseとなり、処理は実行されない。

Or(または):いずれかの条件を満たすとき

Or は、左右の条件のどちらか一方でもTrueなら全体がTrueになる演算子である。「土曜日、または日曜日」のように、複数の条件のいずれかに当てはまるかを判定したいときに使う。

Dim day As String

day = Range("B1").Value

 

If day = "土" Or day = "日" Then

    MsgBox "休日です"

End If

B1が「土」または「日」のいずれかであれば、メッセージが表示される。両方を満たす必要はない。

Not(否定):条件を満たさないとき

Not は、条件の真偽を反転させる演算子である。Not 条件 は「条件がFalseのとき」にTrueとなる。「セルが空白でないとき」のように、ある状態の否定を判定したいときに使う。

If Not IsEmpty(Range("C1").Value) Then

    MsgBox "C1に入力があります"

End If

この例では IsEmpty が「空白ならTrue」を返すため、Not を付けることで「空白でないとき」を判定している。

組み合わせと優先順位:括弧で明示する

AndとOrを混在させると、評価順によって結果が変わる。VBAでは And が Or より先に評価される(Andの方が優先順位が高い)。意図しない結果を避けるため、括弧で評価の順序を明示するのが安全である。

' 「会員」かつ「(東京 または 大阪)」

If isMember = True And (area = "東京" Or area = "大阪") Then

    MsgBox "対象者です"

End If

括弧を付けない isMember = True And area = "東京" Or area = "大阪" は、Andが先に評価されるため「(会員かつ東京)または大阪」という別の意味になってしまう。条件が増えるほど括弧で意図を明確にしておくとよい。

ElseIfで複数のパターンに分岐する

3つ以上の条件で処理を分けたいときは、ElseIf を使う。上から順に条件を判定し、最初にTrueになったブロックだけが実行される。どれにも当てはまらない場合は Else が実行される。

Dim score As Long

score = Range("A1").Value

 

If score >= 80 Then

    MsgBox "A評価"

ElseIf score >= 60 Then

    MsgBox "B評価"

Else

    MsgBox "C評価"

End If

上から評価されるため、最初の score >= 80 がTrueなら「A評価」だけが実行され、以降のElseIf・Elseは評価されない。範囲を区切る条件では、判定の順序を意識して並べる。

他言語(&& / ||)との違い

C系(C/C++/Java/JavaScriptなど)の言語では、論理積に &&、論理和に || を使うが、VBAではこれらは使えない。VBAでは英単語の AndOrNot を使う。&(アンパサンド1つ)はVBAでは文字列連結の演算子であり、論理演算子ではない点も混同しやすいので注意したい。

意味 VBA C系言語
かつ And &&
または Or ||
否定 Not !

落とし穴:ここに注意

注意点 内容
短絡評価されない VBAのAnd・Orはショートカット(短絡)評価をしない。一部の言語では && の左がFalseなら右を評価しないが、VBAは左右の条件を常に両方とも評価する。たとえば If Not obj Is Nothing And obj.Value > 0 Then のように書いても、左がFalseでも右の obj.Value が評価されエラーになり得る。こうした場合はIfをネスト(入れ子)にして段階的に判定する。
等価比較は = VBAの「等しいか」の比較は =(イコール1つ)。C系の == は使えない。代入と比較で同じ = を使う点に慣れる必要がある。
End If の付け忘れ 複数行(ブロック)形式のIfには、必ず End If が必要。付け忘れるとコンパイルエラーになる。なお1行で完結させる場合(If x > 0 Then MsgBox "OK")はEnd If不要だが、複数条件では複数行形式が読みやすい。
条件の省略不可 If x = 1 Or 2 Then のような書き方はできない。各条件を If x = 1 Or x = 2 Then のように、それぞれ完全な比較式で書く必要がある。

よくある質問(FAQ)

Q. AndとOrはいくつでもつなげられますか?
A. つなげられる。If a > 0 And b > 0 And c > 0 Then のように複数のAnd・Orを連結できる。ただしAndとOrを混在させるときは、前述のとおり括弧で評価順を明示すると安全である。

Q. 「○以上△以下」をまとめて書けますか?
A. VBAには 10 <= x <= 20 のような連続した範囲指定の構文はない。If x >= 10 And x <= 20 Then のように、Andで2つの条件をつないで書く。

Q. 短絡評価が必要な場合はどうすればよいですか?
A. VBAのAnd/Orは短絡しないため、「左がFalse/Nothingのときは右を評価したくない」場合はIf文をネスト(入れ子)にする。たとえば If Not obj Is Nothing Then で外側を判定し、その内側でさらに If obj.Value > 0 Then と判定すれば、安全に段階評価できる。

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