| この記事の要点 |
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Oracle の物理構造とは
Oracle データベースの物理構造とは、データベースを構成するOS 上の実ファイルの集合を指します。ユーザがテーブル・ビュー・索引・ストアドプロシージャといった「論理的な」オブジェクトを扱う一方で、それらは必ずディスク上の物理ファイルに格納されます。バックアップ・リカバリ・パフォーマンスチューニングを行うには、まずどんなファイルがどんな役割を持つかを知っておく必要があります。
物理ファイルの全体像
| 種別 | 役割 | 必須/任意 |
|---|---|---|
| データファイル | 表・索引・データ本体の永続化先 | 必須 |
| 制御ファイル | DB 構成のメタ情報(DBID、ファイル位置、SCN) | 必須 |
| オンライン REDO ログファイル | すべての変更履歴を時系列で記録 | 必須 |
| 一時ファイル | ソートやハッシュ結合の作業領域 | 実用上必須 |
| アーカイブログファイル | REDO の永続バックアップ(ARCHIVELOG モード時) | 任意 |
| SPFILE / PFILE | 初期化パラメータの保管先 | 必須 |
| パスワードファイル | SYSDBA 等の特権ユーザ認証用 | 任意 |
| アラートログ / トレースファイル | 稼働ログ・エラー記録 | 運用上必須 |
1. データファイル (Data File)
テーブルや索引、LOB といったユーザデータの実体を格納する物理ファイルです。拡張子は通常 .dbf。1 つ以上の表領域 (TABLESPACE) に紐付き、表領域は複数のデータファイルで構成できます。データファイルの中はさらにセグメント → エクステント → データブロックという論理単位で管理されます。
-- データファイルの一覧確認
SELECT file_id, file_name, tablespace_name, bytes/1024/1024 AS mb
FROM dba_data_files
ORDER BY tablespace_name, file_id;
-- データファイルを追加(USERS 表領域に 1GB 追加)
ALTER TABLESPACE users
ADD DATAFILE '/u01/app/oracle/oradata/orcl/users02.dbf'
SIZE 1G AUTOEXTEND ON NEXT 100M MAXSIZE 10G;
2. 制御ファイル (Control File)
制御ファイルは、データベースの物理構造を記述する小さなバイナリファイルです。DBID、データファイルと REDO ログファイルの場所、現在の SCN(System Change Number)、バックアップ履歴(RMAN 使用時)などを保持します。これが壊れると DB が起動できなくなるため、必ず複数の場所にミラーリングするのが鉄則です。
-- 制御ファイルの位置確認
SELECT name FROM v$controlfile;
-- 制御ファイルのバックアップ(人間可読の SQL 形式で)
ALTER DATABASE BACKUP CONTROLFILE TO TRACE
AS '/tmp/ctl_backup.sql' REUSE;
3. オンライン REDO ログファイル (Online Redo Log)
すべてのトランザクション変更が確定前に逐次書き込まれるファイルで、障害復旧の生命線です。2 つ以上のログ・グループを循環書き込みします。各グループはメンバーと呼ばれる実ファイルで構成され、複数メンバーに同時書き込みすることで多重化できます。
-- REDO ログの構成確認
SELECT group#, member FROM v$logfile;
SELECT group#, bytes/1024/1024 AS mb, status, archived
FROM v$log;
-- ログ・スイッチ(手動切替)
ALTER SYSTEM SWITCH LOGFILE;
4. 一時ファイル (Temp File)
大きなソート、ハッシュ結合、グローバル一時表などの作業領域として使うファイルです。TEMP 表領域に属し、データファイルと違い永続データを保持しないため、消失しても DB の整合性は崩れません(再作成は必要)。
5. アーカイブログ (Archive Log)
ARCHIVELOG モードで運用していると、オンライン REDO ログが上書きされる前に別ディレクトリ(高速リカバリ領域)に永続コピーされます。これがアーカイブログで、ポイントインタイムリカバリやスタンバイ DB の同期に不可欠です。
-- ARCHIVELOG モードかどうか
SELECT log_mode FROM v$database;
-- 高速リカバリ領域の使用状況
SELECT * FROM v$recovery_file_dest;
6. パラメータファイル (SPFILE / PFILE)
インスタンス起動時に読み込まれる初期化パラメータを保持します。バイナリの SPFILE(推奨)とテキストの PFILE があり、SPFILE はオンラインで ALTER SYSTEM SET ... SCOPE=BOTH で書き換え可能です。
7. パスワードファイル / アラートログ
- パスワードファイル: SYSDBA 等の特権ユーザを OS 認証以外でログインさせる際に使う
- アラートログ: インスタンスの起動・停止、ログスイッチ、ORA エラーが時系列で記録される運用の必読ログ
- トレースファイル: 障害時に Oracle が出力する詳細ダンプ
物理構造と論理構造の対応
| 論理 | 物理 |
|---|---|
| データベース | すべての物理ファイル群 |
| 表領域 (TABLESPACE) | 1 つ以上のデータファイル |
| セグメント(表・索引等) | データファイル内の領域 |
| エクステント | 連続したデータブロックの塊 |
| データブロック | OS ブロックの倍数(既定 8KB) |
運用上のポイント
- 制御ファイルと REDO ログファイルは必ず多重化(別ディスクに配置)
- 本番運用はARCHIVELOG モード+ RMAN バックアップが基本
- SPFILE はオンラインで変更可能なため、PFILE 直接編集はトラブル時のみ
- アラートログは監視ツールで常時チェックし、ORA-600 / ORA-7445 を早期検出する
子ページから選択してください
本サイトでは、各物理ファイルの詳細を子ページで解説しています。サイドメニューからデータファイル・制御ファイル・REDO ログファイルを選択してください。
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