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Ethernetとは|規格と速度・フレーム構造・MACアドレス・CSMA/CD

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この記事の要点
  • Ethernet は LAN で最も普及している有線通信規格。IEEE 802.3 で標準化されている
  • OSI 参照モデルのデータリンク層(と物理層の一部)に該当し、MAC アドレス でノードを識別する
  • 基本単位はイーサネットフレーム。宛先 MAC / 送信元 MAC / タイプ / ペイロード / FCS の構造
  • 速度は 10Mbps(10BASE-T)→ 100Mbps(100BASE-TX)→ 1Gbps(1000BASE-T)→ 10Gbps / 25 / 40 / 100 / 400Gbps と進化
  • 初期は CSMA/CD(衝突検出付き多重アクセス)が必須だったが、全二重スイッチ時代の現在は事実上廃止された

Ethernet とは

Ethernet(イーサネット)は、現在の有線 LAN で最も広く使われている通信規格です。1973 年に Xerox PARC の Robert Metcalfe らが開発し、1983 年に IEEE 802.3 として標準化されました。家庭・オフィス・データセンターまで、ローカルエリアネットワークの基盤として圧倒的なシェアを占めています。

OSI 参照モデルではデータリンク層(第 2 層)と物理層(第 1 層)の一部を担います。上位の IP は Ethernet の上に乗って動いており、PC やスマホがネットに繋がる土台になっています。

イーサネットフレーム構造

Ethernet で実際に流れるデータの単位をイーサネットフレームと呼びます。代表的な「Ethernet II」形式の構造は次の通りです。

フィールド長さ説明
プリアンブル7 バイト同期信号(10101010 の繰り返し)
SFD1 バイトフレーム開始識別子(10101011
宛先 MAC アドレス6 バイト受信側ノードの MAC
送信元 MAC アドレス6 バイト送信側ノードの MAC
タイプ2 バイト上位プロトコル(0x0800=IPv4、0x86DD=IPv6、0x0806=ARP)
ペイロード46〜1500 バイト実データ。下限割れはパディングで埋める
FCS(CRC32)4 バイト誤り検出用チェックサム

標準的なペイロード上限 1500 バイトを MTU(Maximum Transmission Unit)と呼びます。ジャンボフレーム対応のスイッチや NIC では 9000 バイト程度まで拡張できます。

MAC アドレス

各 Ethernet ノードは 48 ビット(6 バイト)の固有識別子 MAC アドレスを持ちます。出荷時に NIC(Network Interface Card)に焼き込まれており、世界で一意になるよう IEEE が管理しています。

例: 00:1A:2B:3C:4D:5E
    └──┬──┘ └──┬──┘
       OUI       NIC固有
   (ベンダ識別)  (シリアル)

主な規格と速度

規格速度媒体主な用途
10BASE-T10 MbpsUTP Cat3+初期 LAN(現役引退)
100BASE-TX100 MbpsUTP Cat5家庭・小規模オフィス
1000BASE-T1 GbpsUTP Cat5e/Cat6現代の家庭 LAN の主流
10GBASE-T10 GbpsUTP Cat6a/Cat7サーバ / NAS / 高速 PC
10GBASE-SR/LR10 Gbps光ファイバデータセンター内
25/40/100/400GBASE25〜400 Gbps光ファイバデータセンター / バックボーン

ケーブル種別の選び方

カテゴリ対応速度用途
Cat5e1Gbps(〜100m)一般的な家庭 LAN
Cat61Gbps(100m)/ 10Gbps(55m まで)家庭で 10G を準備したい場合
Cat6a10Gbps(100m)10G を本格運用する場合の最低ライン
Cat7 / Cat7a10Gbps(100m)シールド付き。長距離・ノイズ環境向け
Cat840Gbps(30m)データセンタ短距離

CSMA/CD と全二重化の歴史

初期の Ethernet は同軸ケーブル / リピータハブによる半二重共有メディアでした。複数台が同時送信すると衝突するため、衝突を検出して再送する仕組みが CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access / Collision Detection)です。

その後スイッチングハブ+ツイストペアの普及で全二重動作が当たり前になり、同一セグメント内でも衝突が起きなくなりました。CSMA/CD は IEEE 802.3 規格上は残っていますが、現代の機器では事実上動作しません。

Wi-Fi との関係

Wi-Fi(IEEE 802.11)は無線版の LAN ですが、フレーム形式やアドレス体系の一部を Ethernet と共通化しているため、ブリッジ(Wi-Fi ルータ)を介して透過的に相互接続できます。実装面では「Wi-Fi で受け取ったフレームを Ethernet フレームに変換して有線へ流す」というだけの設計です。

確認・設定でよく使うコマンド

# Linux ─ NIC の状態
ip link show
ethtool eth0

# macOS ─ 速度確認
networksetup -getMedia "Ethernet"

# Windows ─ MAC アドレス / リンク速度
ipconfig /all
Get-NetAdapter

VLAN ─ 同じ物理 LAN を論理的に分ける

1 本の Ethernet ケーブル / 1 台のスイッチを複数の論理ネットワークに分ける仕組みが VLAN(IEEE 802.1Q)です。フレームに 4 バイトの VLAN タグを差し込み、スイッチがタグごとに転送先を分けます。オフィスで「総務 LAN」「開発 LAN」「ゲスト LAN」を 1 台のスイッチで共存させるなど、設計の自由度が大きく上がります。

PoE ─ 電源も同時に供給

PoE(Power over Ethernet、IEEE 802.3af / at / bt)は、Ethernet ケーブルでデータ通信と電源供給を同時に行う規格です。Wi-Fi アクセスポイント、IP カメラ、IP 電話など、AC コンセントから遠い機器に電源コードを別途引かずに済みます。

規格供給電力用途例
PoE (802.3af)15.4WIP 電話、低消費 AP
PoE+ (802.3at)30WWi-Fi 6 AP、PTZ カメラ
PoE++ (802.3bt Type 3)60WノートPC ドック、デジタルサイネージ
PoE++ (802.3bt Type 4)90Wシンクライアント、LED 照明

Wake on LAN

電源 OFF(または S5 スリープ)状態の PC を、別 PC から特定の「マジックパケット」を Ethernet 経由で送って起動する仕組みが Wake on LAN(WoL)です。リモートメンテナンスや NAS のオンデマンド起動に使われます。BIOS / UEFI で WoL を有効化し、OS 側でも NIC の電源管理を許可する必要があります。

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