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TCP/IP インターネット層とは(IP / ICMP / ARP / ルーティングの役割)

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この記事の要点
  • TCP/IP モデルのインターネット層は異なるネットワーク間でパケットを届ける役割を持つ層
  • 主要プロトコル: IP (IPv4 / IPv6) / ICMP(疎通確認・エラー通知)/ ARP(IP ↔ MAC 解決)/ IGMP(マルチキャスト)
  • IP はベストエフォート — 順序保証・再送・到達保証はしない(TCP に任せる)
  • OSI 参照モデルでは第 3 層 (ネットワーク層) に相当 — TCP/IP モデルでは「第 2 層」と呼ぶこともある
  • ルーティング: ルータが宛先 IP を見て次の経路を選択 — RIP / OSPF / BGP 等のプロトコルで経路情報を交換
  • 関連: TCP/IP / トランスポート層

インターネット層とは

インターネット層 (Internet Layer)TCP/IP モデルの階層の 1 つで、異なるネットワーク間を跨いでパケットを届ける役割を担います。OSI 参照モデルでいうネットワーク層(第 3 層)に相当し、TCP/IP モデルでは下から数えて 2 番目に位置することから「第 2 層」と表現される文献もあります。

この層の主役は IP プロトコル。IP アドレスを使ってパケットの宛先を識別し、ルータが中継しながら世界中のホストへ届けます。

TCP/IP モデルにおける位置

TCP/IP モデルOSI 参照モデル主なプロトコル
アプリケーション層5〜7 層HTTP / HTTPS / DNS / SMTP / SSH
トランスポート層4 層TCP / UDP / QUIC
インターネット層3 層IP / ICMP / ARP / IGMP
ネットワークインタフェース層1〜2 層Ethernet / Wi-Fi / PPP

主要プロトコル

IP (Internet Protocol)

パケット交換型の通信プロトコルで、宛先・送信元 IP アドレスを持つパケットを生成・転送します。バージョンは IPv4(32 bit、約 43 億アドレス)と IPv6(128 bit、ほぼ無尽蔵)。

項目IPv4IPv6
アドレス長32 bit128 bit
表記192.168.1.12001:db8::1
ヘッダ長20〜60 byte固定 40 byte
ブロードキャストありなし(マルチキャストで代替)
セキュリティIPsec 任意IPsec 推奨

IP はベストエフォート。順序保証・再送・到達保証は行いません。必要なら上位の TCP が担当します。

ICMP (Internet Control Message Protocol)

IP の補助プロトコルで、疎通確認エラー通知を扱います。pingtraceroute は ICMP を使った代表ツール。

  • Echo Request / Reply — ping の往復確認
  • Destination Unreachable — 宛先到達不能の通知
  • Time Exceeded — TTL 切れ(traceroute の原理)
  • Redirect — より良い経路の通知

ARP (Address Resolution Protocol)

同一 LAN セグメント内で IP アドレス → MAC アドレスを解決するプロトコル。IPv4 専用で、IPv6 では NDP (Neighbor Discovery Protocol) に置き換わっています。

IGMP (Internet Group Management Protocol)

マルチキャストグループの管理プロトコル。動画配信やオンラインゲームのマルチキャスト配信で使われます。

IP パケットのヘッダ構造(IPv4)

フィールドサイズ役割
Version4 bitIPv4 なら 4
IHL4 bitヘッダ長(32bit ワード単位)
TOS / DSCP8 bitQoS 優先度
Total Length16 bitパケット全長
Identification16 bitフラグメント識別
TTL8 bit残り中継回数(0 で破棄)
Protocol8 bit上位プロトコル番号(TCP=6, UDP=17, ICMP=1)
Source / Destination Address各 32 bit送信元・宛先 IP

ルーティングの仕組み

パケットの宛先 IP がローカル LAN 内になければ、ルータがルーティングテーブルを見て次の隣接ルータ(ネクストホップ)へ転送。これを繰り返して目的地に到達します。

経路情報の種類説明用途
スタティックルート管理者が手動設定小規模・固定経路
RIP (Routing Information Protocol)ホップ数最小、簡易小規模 LAN
OSPF (Open Shortest Path First)リンク状態 + コスト計算企業内 LAN(IGP)
BGP (Border Gateway Protocol)AS(自律システム)間の経路交換インターネット全体(EGP)

確認コマンド

# 自分の IP / インタフェース確認
ip addr             # Linux
ifconfig            # macOS / BSD
ipconfig            # Windows

# 疎通確認(ICMP Echo)
ping 8.8.8.8

# 経路確認
traceroute google.com   # Linux / macOS
tracert google.com      # Windows

# ARP テーブル
arp -a

# ルーティングテーブル
ip route        # Linux
netstat -rn     # 汎用
route print     # Windows

サブネットと CIDR

IP アドレスは「ネットワーク部 + ホスト部」に分かれ、その境界を示すのがサブネットマスクです。現代では CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 記法でビット数を直接書くのが主流。

CIDRサブネットマスク収容ホスト数用途
/8255.0.0.0約 1,677 万大規模 (旧クラス A)
/16255.255.0.0約 65,534中規模 (旧クラス B)
/24255.255.255.0254典型的な LAN セグメント
/27255.255.255.22430小オフィス・拠点
/30255.255.255.2522ルータ間ポイントツーポイント

プライベート IP とグローバル IP

LAN 内で自由に使えるプライベート IP(RFC 1918)はインターネットには直接出られず、ルータの NAT (Network Address Translation) でグローバル IP に変換されます。

  • 10.0.0.0/8 — 大規模組織向け
  • 172.16.0.0/12 — 中規模向け
  • 192.168.0.0/16 — 家庭・小規模向け

FAQ

Q: 「第 2 層」と表記されているが OSI の 2 層(データリンク層)ではないのか?
A: TCP/IP モデルでは下から「ネットワークインタフェース層・インターネット層・トランスポート層・アプリケーション層」と数えるため、インターネット層が「第 2 層」と呼ばれることがある。OSI 参照モデルでは第 3 層(ネットワーク層)。

Q: IPv6 で ARP が不要なのは?
A: 代わりに ICMPv6 を使った NDP がアドレス解決を行うため。

Q: パケットが届かないときの切り分けは?
A: ping で L3 疎通、traceroute でどこまで届くか、arp で同一 LAN 内の MAC 解決、route で経路を確認。

関連: TCP/IP / トランスポート層

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