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同軸ケーブル 完全ガイド(構造 / 規格(5C-2V / 3C-FB / RG58)/ インピーダンス / 用途 / 自作と接続)

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この記事の要点
  • 同軸ケーブル(Coaxial Cable)中心導体・絶縁体・外部導体(網組)・シースの同心構造を持つ伝送ケーブル
  • 外部導体が電磁シールドの役割を果たし、高周波信号を低損失で伝送できる
  • インピーダンスは用途で決まり、映像/TV系は 75Ω無線/Ethernet系は 50Ω
  • 主な規格: 5C-2V / 5C-FB / 3C-2V(日本のTV系)、RG-58 / RG-59 / RG-6(米国系)
  • 用途: 地デジ・BS/CS アンテナ無線機 / アマチュア無線計測器10BASE-2 / 10BASE-5(過去の Ethernet)

同軸ケーブルとは

同軸ケーブル(Coaxial Cable、同軸線)は、中心の導体外側を取り巻く導体が同じ軸を共有する構造の伝送ケーブルです。外部導体が電磁シールドとなり、内部の信号を外部ノイズから守ると同時に、内部の高周波信号が外部に漏れることも防ぎます。

テレビ / 衛星放送のアンテナ線、無線機の給電線、各種計測器、過去の Ethernet(10BASE-2 / 10BASE-5)など、高周波・低損失・耐ノイズ性を必要とする場面で広く使われます。

構造

役割主な材質
中心導体信号の伝送経路銅 / 銅線 / 銅メッキ鋼線
絶縁体(誘電体)中心導体と外部導体を絶縁ポリエチレン / 発泡PE / フッ素樹脂
外部導体シールド / グランド編組(網組)銅線 / アルミ箔
シース(外被)機械保護 / 防水PVC / PE

特性インピーダンス

同軸ケーブルの特性インピーダンスは、中心導体と外部導体の寸法比、誘電体の比誘電率で決まります。送受信機器のインピーダンスと一致させないと反射が起きて信号品質が劣化します。

インピーダンス用途代表規格
75Ω映像・TV・BS/CS5C-2V, 5C-FB, RG-6, RG-59
50Ω無線・Ethernet・計測RG-58, RG-8, 10BASE-2

日本国内の規格表記

日本の TV / BS 系では 「数字 + アルファベット + 数字」形式の型番が使われます。

例: 5C-FB

5  → 絶縁体の外径(mm)
C  → 特性インピーダンス(C = 75Ω、D = 50Ω)
-FB → 構造記号(後述)
構造記号意味用途
2V標準的なポリエチレン絶縁、編組シールド一般的なTV配線
FB発泡ポリエチレン絶縁、アルミ箔+編組BS/CS、高周波向け(低損失)
FLFB の高シールド版高周波 / 高品質
FVFB の屋外用屋外 / 配管内

米国系規格(RG)

規格インピーダンス用途
RG-5850Ω10BASE-2 Ethernet、アマチュア無線(短距離)
RG-5975Ω映像(細め)、CCTV
RG-675ΩCATV、衛星 / 地上TV配線
RG-850Ωアマチュア無線(高出力)
RG-17450Ω計測器の細い同軸
RG-21350Ω業務用 50Ω 太径

太さと損失

同軸ケーブルは太いほど低損失です。長距離配線や高周波で減衰させたくないなら太いものを選びます。

太さ傾向用途
3C-2V / RG-59細い・損失大・取り回し良好機器内配線、短距離
5C-2V / RG-6標準家庭内のTV配線
7C-FB / RG-11太い・低損失長距離、幹線
10C-FB / RG-8非常に太い業務用、無線送信

コネクタの種類

コネクタインピーダンス用途
F型75Ω家庭内 TV / BS / CS。日本で最も普及
BNC50Ω / 75Ω計測器、業務用映像、過去の Ethernet
N型50Ωアマチュア無線、業務用
SMA50Ω小型機器、計測、Wi-Fi アンテナ
TNC50ΩSMA より大型 / 振動に強い
UHF(M型)50Ω無線送受信、業務用

用途と歴史

用途使用例
放送(TV / BS / CS)家庭〜放送局までの配線
無線通信アマチュア無線、業務無線
CATV幹線 / 引き込み線
計測オシロスコープ、信号発生器
過去の Ethernet10BASE-5(太い同軸)、10BASE-2(細い同軸)
映像SDI(業務用映像伝送)

配線時の注意点

  • 急な曲げは禁物: 特性インピーダンスが変化し反射の原因。最小曲げ半径を守る
  • コネクタ加工の品質: 端面の処理が悪いと VSWR が悪化する
  • 長距離は減衰に注意: 周波数が高いほど減衰する。ブースターやアンプを併用
  • 屋外配線は耐候性: 紫外線・水分に強いシースのケーブルを選ぶ
  • ノイズ環境: 編組密度の高いケーブルを選ぶ

同軸ケーブル vs 他のケーブル

項目同軸ツイストペア光ファイバ
用途高周波 / 映像 / 無線LAN(カテゴリ5e/6/7)長距離・高速通信
距離短〜中(100m前後)長距離(数〜数十km)
速度規格による最大 10Gbps(Cat6A)10G / 100G+
ノイズ耐性シールドで高いカテゴリで差非常に高い(電磁的影響なし)
コスト

FAQ

Q: なぜ Ethernet は同軸からツイストペアに移行した?
A: ツイストペアの方が安価で取り回しが良く、配線変更も容易。スター型トポロジで断線時の影響範囲も限定できます。10BASE-T 以降はツイストペアが主流に。

Q: BS/CS には FB / FL を使うべき?
A: BS/CS は高周波(1〜3GHz)で減衰が大きいため、低損失タイプ(FB / FL)が推奨。安価な 2V でも短距離なら問題ないことも。

Q: 75Ω 用のケーブルを 50Ω 機器に使うとどうなる?
A: 反射が起きて信号が乱れます。短距離・低周波なら何とか通信できることもありますが、規格通りのインピーダンスを使うべき。

歴史 — Ethernet と同軸の関係

1980 年代の初期 Ethernet では、太い同軸ケーブル(10BASE-5、通称「イエローケーブル」)に複数の端末をぶら下げるバス型トポロジが主流でした。後に細い同軸(10BASE-2、Thin Ethernet)に置き換わり、さらに 1990 年代以降はツイストペア(10BASE-T 以降)に取って代わられました。現在のオフィス LAN で同軸ケーブルを見ることはほぼありません。

とはいえ、放送・無線・計測といった高周波領域では今でも現役のメインプレイヤーです。光ファイバーが普及した現代でも、家庭の TV アンテナ線が同軸であることに変わりはありません。

選定のポイント

  1. 用途と周波数 — TV/BS なら 75Ω、無線/計測なら 50Ω
  2. 必要な距離 — 長いほど太径+低損失タイプ(FB / FL)
  3. 取り回し — 細いほど曲げやすいが減衰が大きい
  4. 屋内/屋外 — 屋外は耐候性シース
  5. コネクタ規格 — 接続先機器の口に合わせる(F / BNC / N / SMA)

同軸ケーブルにまつわる用語

用語意味
減衰量長距離を伝送するときの信号の損失。dB/m で表す
VSWR定在波比。インピーダンス不整合の度合い。1.0 が理想、2.0 以下が望ましい
シールド率編組密度や箔の効果による外来ノイズ遮蔽性能
遅延時間信号がケーブル内を進む時間。光速より遅い(誘電体の影響)
耐電圧絶縁体が破壊されない最大電圧

関連

  • ツイストペアケーブル — LAN で主流のケーブル
  • 光ファイバ — 長距離・高速通信
  • F型コネクタ — 家庭TVの定番コネクタ
  • BNCコネクタ — 計測 / 業務向け
  • VSWR — 反射の度合いを示す指標
  • 10BASE-2 / 10BASE-5 — 過去の同軸 Ethernet
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