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ISO (.iso) とは | ISO 9660 / UDF / ブータブル光学ディスクイメージ

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この記事の要点
  • .iso は CD / DVD / Blu-ray などの光学メディアの中身をセクタ単位で丸ごと収めた「ディスクイメージ」ファイル。中身を直接実行するのではなく 仮想ドライブにマウント したり USB に焼いて 使う
  • ファイルシステムは ISO 9660 が基本。互換性のため Joliet(Windows 用ロングファイル名)、Rock Ridge(UNIX 属性)、UDF(DVD/BD 標準)などの拡張が併用される
  • OS インストーラ(Windows / Ubuntu / Debian / Fedora など)の配布形式として最も一般的。ダウンロード後 SHA-256 で改ざんチェック するのが定石
  • ブータブル ISO は El Torito 仕様で起動セクタを内包する。Rufus(Windows)・balenaEtcher(クロスプラットフォーム)・dd(Linux/macOS)で USB に書き込む
  • Windows 10 以降は ISO をダブルクリックするだけで仮想ドライブとしてマウント可能。macOS は Finder、Linux は mount -o loop で扱える
  • 中身は 読み取り専用 が前提。書き戻したいときは一度展開してから mkisofs / genisoimage / xorriso で再生成する
  • 光学メディアが衰退した現在も、OS 配布・仮想マシンのインストール・アーカイブ用途として現役で使われ続けている形式

概要

ISO ファイル(拡張子 .iso)は、CD-ROM や DVD-ROM、Blu-ray ディスクといった光学メディアの内容を セクタ単位でそのまま 1 つのファイルにまとめたディスクイメージ です。名称の由来は国際標準化機構(International Organization for Standardization)の ISO 9660、すなわち光学ディスクの標準ファイルシステム規格に由来します。物理ディスクとイメージファイルがバイト単位で同一になるため、ISO ファイルから物理ディスクを完全に復元することができます。

用途として圧倒的に多いのは OS のインストーラ配布 です。Microsoft の Windows 11、Canonical の Ubuntu、Red Hat の RHEL、Debian、Fedora、Arch Linux、FreeBSD など、ほぼ全ての PC 向け OS は ISO 形式で配布されています。ダウンロードした ISO を USB メモリに書き込んでブート する、あるいは 仮想マシンに直接マウント してインストールするのが現代の典型的な使い方です。物理ディスクへの焼き込みは過去のスタイルになりつつあります。

もう 1 つの大きな用途は アーカイブ・配布。ゲーム・ソフトウェアの配布、書籍付録、教育コンテンツの収録など、多数の小ファイルをまとめて 1 ファイル化し、内部のディレクトリ構造を保ったまま配ることができます。ZIP と違って マウントするだけで中身にアクセスできる(展開不要)という利点があります。

Windows 8 以降では .iso をエクスプローラでダブルクリックするだけで仮想 DVD ドライブとしてマウントされ、macOS では Finder からそのまま開けます。Linux では sudo mount -o loop foo.iso /mnt/iso で読み取り専用にマウント可能です。

内部構造とファイルシステム

ISO ファイルの中身は基本的に ISO 9660(1988 年制定、CD-ROM 用ファイルシステム)でフォーマットされたデータです。ISO 9660 は当時の MS-DOS との互換性を意識したため、ファイル名は 8.3 形式(最大 8 文字 + ピリオド + 3 文字)の大文字英数字 という強い制約があります。現在の感覚ではあまりにも貧弱なため、以下の拡張が事実上の標準として併用されています。

拡張目的主な OS
JolietUnicode(UTF-16)の長いファイル名(最大 64 文字)Windows
Rock RidgeUNIX のパーミッション、シンボリックリンク、長いファイル名Linux / UNIX
HFS / HFS+ ハイブリッドMac で扱いやすいリソースフォーク等macOS(旧)
UDF(Universal Disk Format)大容量・ファイル単位書き換え対応の後継規格DVD / Blu-ray 標準
El Toritoブート可能 CD/DVD のための起動情報OS インストーラ

DVD / Blu-ray の ISO は事実上 UDF でフォーマットされており、4 GB を超える単一ファイルや 4.7 GB / 25 GB といった大容量メディアをサポートします。OS インストーラ ISO の多くは ISO 9660 + Joliet + Rock Ridge + UDF + El Torito の合わせ技で、どの環境からでも読み書きできるように作られています。

主な用途

  • OS インストーラ配布 — Windows / Linux / macOS Recovery / FreeBSD などすべて ISO 配布が標準
  • 仮想マシンの OS インストール — VMware / VirtualBox / Hyper-V / QEMU で ISO を仮想光学ドライブにマウントして OS をインストール
  • ブート可能 USB メモリ作成 — Rufus / Etcher / Ventoy / dd で ISO を USB に焼いてレスキュー・インストール用ドライブを作る
  • 古い CD/DVD のアーカイブ — 物理メディアの劣化前にバックアップ。ImgBurn / dd で吸い出す
  • 大容量データ配布 — 教材・付録・配布資料を 1 ファイルに集約
  • セキュリティテスト・レスキューディスク — Kali Linux、SystemRescueCD、Hiren's BootCD などの ISO ベースのレスキュー環境

関連形式との比較

形式特徴編集可否
ISO光学ディスクのセクタイメージ。読み取り専用不可(再生成が必要)
IMG(後述)パーティションテーブルを含む汎用 raw イメージ不可(再生成が必要)
BIN / CUEISO の前身。マルチセッション CD のオーディオトラック対応BIN は raw、CUE はトラック定義のテキスト
MDF / MDSAlcohol 120% 系の独自イメージ専用ツール必須
NRGNero Burning ROM の独自イメージ専用ツール必須
ZIP / TARファイル単位のアーカイブ。ブート不可可(解凍 / 再圧縮)

ISO はベンダー中立かつ標準化されており、ほぼ全ての OS とツールが扱えるため、現代の 事実上の標準 となっています。BIN/CUE や MDF/MDS は古いゲーム ROM コミュニティで見かけることがある程度です。

コマンド・ツール

Linux / macOS でのマウント:

# 読み取り専用でマウント
sudo mkdir -p /mnt/iso
sudo mount -o loop ubuntu-24.04.iso /mnt/iso
ls /mnt/iso
sudo umount /mnt/iso

# ハッシュ検証(配布元の SHA-256 と一致するか)
sha256sum ubuntu-24.04.iso

USB メモリへの書き込み(デバイス名を間違えるとシステム破壊につながるので要注意):

# Linux / macOS
sudo dd if=ubuntu-24.04.iso of=/dev/sdX bs=4M status=progress conv=fsync
sync

# Windows は Rufus / balenaEtcher / Ventoy を推奨(GUI)

ISO の作成(既存ディレクトリから生成):

# Joliet + Rock Ridge 付きで生成
genisoimage -o output.iso -J -R -V "MY_DISK" ./source_dir

# xorriso(より新しい代替)
xorriso -as mkisofs -o output.iso -J -R -V "MY_DISK" ./source_dir

注意点

  • ハッシュ値(SHA-256 / SHA-512)の検証は必須。ミラーサイトからの改ざん・破損は実際に起きる。配布元の公式ページに掲載されたハッシュと一致させる
  • ddof= を間違えるとシステムディスクを破壊するlsblk で対象 USB のデバイス名を必ず確認してから実行
  • ISO は 読み取り専用。中身を編集したい場合は展開してから再生成する。直接書き換えるとファイルシステムが壊れる
  • 4 GB を超える ISO は ISO 9660 単独では扱えない。UDF か Joliet 拡張を使う
  • ブート可能にしたい場合は El Torito ブートカタログ(BIOS)と EFI System Partition イメージ(UEFI)の両方を埋め込む必要がある。xorriso--isohybrid-mbr オプションが標準的
  • 古い Windows(7 以前)は ISO の直接マウント不可。Virtual CloneDrive 等のサードパーティ仮想ドライブツールが必要だった

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