| この記事の要点 |
|
ユニバーサルセレクタとは
ユニバーサルセレクタ (Universal Selector) は CSS のセレクタの一種で、要素名の代わりに * (アスタリスク) を指定することですべての要素にスタイルを適用します。
基本構文
* {
color: #FFF;
}
この記述で HTML 文書内のすべての要素 (html, body, div, p, span, img...) のテキスト色が白になります。
典型的な使い方
1. リセット CSS
もっとも頻繁に見るユニバーサルセレクタの活用例。ブラウザ既定のマージン・パディングを一括でゼロにし、box-sizing を border-box に統一します。
* {
margin: 0;
padding: 0;
box-sizing: border-box;
}
近年の主流は疑似要素も含める形:
*,
*::before,
*::after {
box-sizing: border-box;
}
これで width: 100px; padding: 10px; としても全体が 100px に収まるようになり、レイアウト計算が直感的になります。
2. 子孫セレクタとの組み合わせ
子孫結合子 (空白) と組み合わせると特定要素の全子孫を狙えます。
/* article の中の全要素に line-height を */
article * {
line-height: 1.7;
}
/* .modal の直下の子要素だけ */
.modal > * {
margin: 0 0 1em 0;
}
3. クラス・属性との結合
/* 「button クラスを持つ全要素」 — *.button と .button は同じ意味 */
*.button { padding: 0.5em 1em; }
/* data-* 属性を持つすべての要素 */
*[data-tooltip] {
cursor: help;
border-bottom: 1px dotted #aaa;
}
クラスや属性の直前の * は省略可能で、セマンティック的には同じです。
詳細度 (Specificity)
ユニバーサルセレクタの詳細度は (0, 0, 0, 0) — CSS の中で最弱です。タグセレクタ p (0,0,0,1) よりも弱く、どんなセレクタにも上書きされる可能性があります。
| セレクタ | 詳細度 |
|---|---|
* | 0, 0, 0, 0 |
p | 0, 0, 0, 1 |
.button | 0, 0, 1, 0 |
#main | 0, 1, 0, 0 |
| インライン style | 1, 0, 0, 0 |
逆に言うと、最弱のベース設定として安全に使えるのがメリットでもあります。
名前空間付きユニバーサルセレクタ
XHTML / SVG / MathML を混在させる場合、名前空間プレフィックス付きで使えます (CSS Namespaces Module Level 3)。
@namespace svg url(http://www.w3.org/2000/svg);
/* SVG 内の全要素のみに適用 */
svg|* {
fill: currentColor;
}
/* すべての名前空間の全要素 */
*|* {
color: black;
}
/* 名前空間を持たない要素のみ */
|* {
color: red;
}
注意点とアンチパターン
1. パフォーマンス
かつて「* は遅い」と言われていましたが、現代ブラウザでは体感差はほぼないレベルに最適化されています。気にせず使って OK。ただし複雑なセレクタ (例: *:not(.foo) > *) は計算コストが上がるので避けましょう。
2. 全要素への適用は副作用が大きい
* { font-family: ... } のように継承可能なプロパティは body に書く方がメンテしやすいです。
/* NG: 全要素に強制適用 (継承される) */
* {
font-family: "Noto Sans JP", sans-serif;
}
/* OK: body に書けば子要素が継承する */
body {
font-family: "Noto Sans JP", sans-serif;
}
3. リセット CSS の現代版
近年は Tailwind の preflight、Andy Bell の Modern CSS Reset、destyle.css などが主流。* の使い方も限定的かつ意図的になっています。
/* Modern CSS Reset 風 */
*,
*::before,
*::after {
box-sizing: border-box;
}
* {
margin: 0;
}
/* 必要な要素にだけ追加リセット */
h1, h2, h3, h4, h5, h6, p { overflow-wrap: break-word; }
FAQ
Q: * と html, body の違いは?
A: * は全要素を個別に対象。html, body はその 2 要素だけで、子要素には継承可能なプロパティだけが伝わる。用途は別物。
Q: ユニバーサルセレクタは IE でも動く?
A: IE5.5 以降のすべてのブラウザで動作する超古参セレクタ。互換性は心配不要。
Q: * を使うとボタンの内部要素まで影響する
A: * { all: unset } のような全プロパティリセットは強力すぎるので、コンポーネント単位の CSS-in-JS や Tailwind の not-prose 等で範囲を制御するのが現代的。
関連セレクタ
| セレクタ | 意味 |
|---|---|
* | 全要素 |
p | p 要素のみ |
p * | p の全子孫 |
p > * | p の直接子要素 |
*::before | 全要素の ::before 疑似要素 |
:not(p) | p 以外の全要素 (詳細度は引数依存) |
子ページはありません
- タイプセレクタ
- ユニバーサルセレクタ
- クラスセレクタ
- IDセレクタ
- CSS属性セレクタで要素を絞り込む
- 疑似クラス
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