タイトル: ビューとビューテンプレート
SEOタイトル: Revitのビュー — 平面/立面/断面/3D・ビュー範囲・表示設定(VG)・ビューテンプレートで一括管理
ビューとビューテンプレート — モデルを見る「窓」
平面・立面・断面・3D。これらはすべて同じモデルを別の角度から見た「窓」です。図面とは、その見せ方を整えてシートに載せたもの。ビューの仕組みとテンプレートによる一括管理を整理します。
この記事の要点
- ビューは同じモデルを見る「窓」。平面・立面・断面・3D・凡例などがあり、すべて 1 つのモデルから生成される
- 図面はモデルとは別物ではなく、モデルの見せ方(ビュー)を整えてシートに載せたもの
- ビュー範囲(どの高さの断面を見るか)や表示設定(VG)で見え方を制御する
- ビューテンプレートを使うと、多数のビューの表示設定を一括で統一・管理できる
1ビューとは
Revit のビュー(View)は、1 つの建物モデルを特定の方法で「見る窓」です。同じモデルに対して、平面図・断面図・3D など複数のビューを作っても、見ているのは常に同一のモデルです。だからこそ、モデルを変更すればすべてのビューに一貫して反映されます。図面はモデルとは独立に描くものではなく、モデルの見せ方を整えたものだと捉えるのが BIM の考え方です。
2ビューの種類
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 平面図ビュー(Floor Plan) | 特定のレベルを上から見た図。最もよく使う。天井伏図(反射天井ビュー)も平面系。 |
| 立面図ビュー(Elevation) | 建物を水平方向から見た外観・内観の図。 |
| 断面図ビュー(Section) | 建物を仮想的に切断して内部を見る図。 |
| 3D ビュー(3D View) | 立体的に見る。等角・透視(パース)など。 |
| 凡例ビュー(Legend) | 記号や部材の凡例を示す注釈的なビュー。数量集計には含まれない。 |
| ドラフティングビュー(Drafting) | モデルに依存しない 2D 詳細を描くためのビュー。 |
これらに加え、データを表形式で見る集計表(スケジュール)もビューの一種として扱われます。最終的に、これらのビューをシートに配置することで図面が完成します(シートと図面化 参照)。
3ビュー範囲(View Range)
平面図ビューでは、「どの高さでモデルを切って見るか」をビュー範囲(View Range)で決めます。一般的な建築平面図は、床から約 1.2m 程度の高さで水平に切った断面を見ています。ビュー範囲には次のような面が設定されます。
実際にモデルを切る高さ。ここで切られた壁などが平面に現れる。
表示する高さの範囲。
下端より下をどこまで見せるか。
ビュー範囲が適切でないと、窓や腰壁が出ない・余計な要素が出るといった表現の問題が起きます。平面図の見え方を調整するときの基本設定です。
4表示設定(VG:Visibility / Graphics)
各ビューには、カテゴリごとに「表示する/しない」「線の太さ・色・パターン」を制御する表示/グラフィックスの上書き(VG:Visibility/Graphics Overrides)があります。たとえば「このビューでは家具を非表示にする」「壁を太線で表示する」といった調整を、カテゴリ単位で行えます。カテゴリが表示制御の基準になっているため、VG はカテゴリ単位の操作が中心です。
このほか、縮尺・詳細レベル(粗い/標準/詳細)・ビューの分野(意匠/構造など)といった設定も、ビューごとに持っています。これらの設定の組み合わせが「そのビューの見え方」を決めます。なお VG はそのビュー限りの「上書き」であり、要素自体の性質(材質や寸法)を変えるものではない点に注意が必要です。あるビューで壁を赤く表示しても、別のビューや実体のデータには影響しません。表現の調整とデータの編集は別物、という切り分けがここでも重要になります。
詳細レベルは、同じ要素をどこまで細かく描くかを決めます。たとえば壁は、詳細レベルが「粗い」なら 1 本の線、「詳細」なら仕上げ層まで描き分ける、といった具合です。縮尺の大きい詳細図では「詳細」、全体を俯瞰する図では「粗い」を選ぶなど、図面の目的に応じて使い分けます。
5ビューはモデルから派生する
「見えているもの」と「データの実体」を分ける
平面図に見えている壁の線も、断面図に見えている床も、3D に見えている全体も、すべて同じ要素を別の角度・別の設定で表示しているにすぎません。したがって、ある壁を削除すれば、その壁が写っていたすべてのビューから同時に消えます。2D CAD のように「平面図の線」と「断面図の線」を別々に管理する必要がないのが、BIM の効率の源です。
この性質は、データ連携を考えるときにも効いてきます。データの実体はモデル(要素)にあり、ビューはその見せ方です。データを取得するときも、対象はビューに描かれた線ではなく、その背後にある要素とパラメータです。「見えているもの」と「データの実体」を分けて考えると、連携の設計がぶれません。
6ビューテンプレート(View Template)
ビューが何十枚もあると、表示設定を 1 枚ずつ揃えるのは大変で、ばらつきの原因にもなります。これを解決するのがビューテンプレート(View Template)です。縮尺・詳細レベル・VG・分野などの表示設定をひとまとめにして名前を付け、複数のビューに一括適用できます。
- 「平面_意匠_1/100」のようなテンプレートを用意し、該当する平面図に適用する。
- テンプレート側の設定を変えれば、適用済みのすべてのビューに反映され、表現が常に統一される。
- 社内標準としてテンプレートを整備しておくと、誰が作っても図面表現が揃う。
ビューテンプレートは、図面品質の標準化と作業効率化の両方に効く、実務で欠かせない仕組みです。テンプレートで制御している項目は、個々のビューでは編集がロックされる(テンプレート側でまとめて管理する)ため、「なぜこのビューだけ表示が直せないのか」という場面では、まずビューテンプレートが適用されていないかを確認します。
7プロジェクトブラウザでの整理
多数のビューやシートは、プロジェクトブラウザというツリーで一覧・整理します。ビューを種類別・分野別・階別などにグループ化して表示でき、目的のビューを素早く見つけられます。ビューが増えるほど、この整理ルール(命名規則やグループ化の基準)を決めておくことが、チーム作業での迷子防止につながります。社内標準テンプレート(.rte)には、こうしたビューの命名規則やビューテンプレートをあらかじめ仕込んでおくのが定石です。