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ページ更新者:atom
更新日時:2026-06-29 12:04:59

タイトル: ファミリ(システム/ロード/インプレイス)
SEOタイトル: Revitのファミリ — システム/ロード可能(.rfa)/インプレイスの3分類とタイプ・インスタンス階層

この記事の要点
  • ファミリは、同じ振る舞い・形状ロジックを持つ Revit 要素のまとまり。Revit の部材はすべて何らかのファミリに属する。
  • ファミリは大きく 3 種類:システムファミリロード可能ファミリインプレイスファミリ
  • システムファミリ(壁・床・屋根・天井など)はプロジェクト内に組み込まれ、単体ファイルとして保存・読み込みできない。
  • ロード可能ファミリ(ドア・窓・家具・設備機器など)は .rfa ファイルで、プロジェクトに読み込んで使う。最も自由度が高い。
  • インプレイスファミリは、そのプロジェクト専用にその場で作る特殊形状。再利用しないので多用は非推奨。
  • ファミリの中にタイプがあり、配置されたものがインスタンス。この階層が Revit データ構造の中核。

ファミリとは

Revit におけるファミリ(Family)とは、「同じカテゴリに属し、同じパラメータ群と振る舞いを共有する要素のグループ」です。たとえば「片開きドア」というファミリは、幅や高さといった共通のパラメータと、開口部に取り付くという共通の振る舞いを持ちます。Revit に配置されるあらゆる部材は、必ず何らかのファミリに属しています。

ファミリは「設計図的なテンプレート」だと考えると分かりやすいでしょう。ファミリという定義があり、その中に寸法違いのタイプがあり、実際にモデル上に置かれた 1 つひとつがインスタンスです。この階層関係は次章で詳しく扱います。

ファミリの 3 分類

Revit のファミリは、作られ方・保存形式・使い方の違いから 3 種類に分類されます。SE がデータを扱うときは、対象がどの種類のファミリかで API の取り回しや IFC への出方が変わるため、区別を意識することが重要です。

種類代表例ファイル特徴
システムファミリ壁・床・屋根・天井・配管・ダクトプロジェクトに内蔵(単体保存不可)建物に直接結びつく要素。タイプの追加・編集はできるが、新規ファミリ自体は作れない。
ロード可能ファミリドア・窓・家具・照明・設備機器・タイトルブロック.rfa外部ファイルとして作成・読み込み。最も柔軟で、メーカー提供のファミリも豊富。
インプレイスファミリその建物専用の特殊な造作・装飾プロジェクト内のみその場で作る一品物。再利用できず、ファイルが重くなりやすい。

システムファミリ

システムファミリは、Revit にあらかじめ用意されている、建物に直接結びつく基本要素です。壁・床・屋根・天井・階段・配管・ダクトなどが該当します。これらは個別の .rfa ファイルとして取り出すことができず、プロジェクトテンプレート(.rte)やプロジェクト(.rvt)の中に組み込まれています。新しいシステムファミリを一から作ることはできませんが、既存のファミリに対して「200mm 厚 RC 壁」「150mm 厚 RC 壁」のようなタイプを追加・複製して使い分けます。

ロード可能ファミリ

ロード可能ファミリ(コンポーネントファミリ)は、.rfa 形式の独立したファイルとして作成・配布され、プロジェクトに「読み込んで(ロードして)」使います。ドア・窓・家具・照明器具・衛生器具・タイトルブロックなど、3 種類の中で最も種類が多く、自由度の高いファミリです。メーカーが自社製品の Revit ファミリを公開していることも多く、これを読み込めば実製品の寸法・形状をモデルに反映できます。ファミリエディタ(専用の編集環境)でパラメータや形状を細かく定義できるのが特長です。

インプレイスファミリ

インプレイスファミリは、特定のプロジェクトの中で「その場で」作る特殊形状のファミリです。既製のロード可能ファミリでは表現できない一品物の造作などに使います。ただし、他のプロジェクトで再利用できず、コピーするとモデルが重くなりやすいなどの難点があるため、多用は推奨されません。繰り返し使うものは、できるだけロード可能ファミリとして作成するのが定石です。

どの種類を選ぶかの考え方

3 種類のファミリは「どれが優れている」というものではなく、目的に応じて使い分けるものです。実務での選び方の目安を示します。

  • 建物の構成そのもの(壁・床・屋根など)はシステムファミリ:これらは Revit の基本要素なので選択の余地はなく、必要な仕様をタイプとして用意して使う。
  • 繰り返し使う部品はロード可能ファミリ:ドア・窓・家具・機器など、複数の物件で再利用したいものは .rfa として整備する。社内の標準ファミリライブラリを作っておくと品質と効率が上がる。
  • その物件だけの一品物はインプレイス(ただし最小限に):他で使わない特殊形状に限る。再利用の見込みがあるならロード可能ファミリにする。

連携・自動化の観点では、ロード可能ファミリは構造が整理されていて API でも扱いやすい一方、インプレイスファミリは個別性が高く扱いづらい傾向があります。データを安定して扱いたいなら、モデル側でインプレイスを乱用していないかを確認するのも一つの観点です。

ファミリエディタとパラメータ駆動

ロード可能ファミリやインプレイスファミリは、ファミリエディタと呼ばれる専用の編集環境で形状とパラメータを定義します。ここでは、寸法(参照線間の距離など)にパラメータを割り当てて形状を駆動させるのが基本です。たとえば「幅」というパラメータを変えると、それに連動して開口の形状が変わる、といったパラメトリックな部品を作れます。これにより、1 つのファミリから寸法違いの多数のタイプを生み出せます。パラメータの種類については パラメータ(プロジェクト/共有/グローバル/ファミリ) で詳しく扱います。

ファミリ・タイプ・インスタンスの階層

3 種類いずれのファミリも、内部は同じ階層構造を持ちます。

  • ファミリ:「片開きドア」など、振る舞いと共通パラメータを定義したまとまり。
  • タイプ:「片開きドア 900×2100」「片開きドア 800×2000」など、ファミリ内の規格バリエーション。寸法や材質をセットで持つ。
  • インスタンス:実際にモデル上の特定の壁に配置された個々のドア。位置や向きなどの個別情報を持つ。

この「ファミリ → タイプ → インスタンス」という入れ子は、オブジェクト指向でいうクラスとインスタンスの関係に近く、SE には馴染みやすい構造です。詳細と、その上位にある「カテゴリ」を含めた 4 層の関係は、次の カテゴリ・タイプ・インスタンス で解説します。

まとめ

ファミリは Revit の部材定義の単位であり、システム/ロード可能/インプレイスの 3 種類があります。連携・自動化を実装するときは、対象がどの種類のファミリで、どのタイプ・インスタンスなのかを正確に押さえることが、データの取り違いを防ぐ第一歩です。次は カテゴリ・タイプ・インスタンス へ。カテゴリ全体は Revit から確認できます。