タイトル: 建築図面の種類
SEOタイトル: 建築図面の種類 — 配置図・平面図・立面図・断面図・矩計図・詳細図をSE向けに整理
| この記事の要点 |
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建築の設計内容は、文章ではなく図面で伝達されます。1枚の図面で建物のすべてを表すことはできないため、目的ごとに図面を分けて描き、それらを束ねた「図面集(図面リスト)」で1つの建物を表現します。システムエンジニアが BIM データに関わるとき、それぞれの図面が「何を・どの向きから見せているのか」を理解しておくと、モデルから何を出力すべきか、属性の意味は何かが読み解けるようになります。本記事では主要な図面の種類と、その分類(意匠・構造・設備)を整理します。
図面は「切る向き」で分類される
建築図面の多くは、建物を仮想的に「水平に切る/垂直に切る/外から眺める」ことで作られます。同じ建物でも切り方を変えれば見える情報が変わります。まず代表的な図面が何を示すのかを表で押さえましょう。
| 図面名 | どう見た図か | 主に示す情報 |
|---|---|---|
| 配置図 | 敷地全体を真上から見た図 | 敷地の形・方位・建物の位置・隣地境界・道路・外構(駐車場や植栽) |
| 平面図 | 各階を床から約1〜1.5mの高さで水平に切り、上から見下ろした図 | 部屋の配置・大きさ・壁/柱/開口(窓・ドア)の位置・通り芯 |
| 立面図 | 建物を外部から真横に見た図(東西南北の4面) | 外観の見え方・窓やドアの位置と高さ・軒や屋根の形・外装仕上げ |
| 断面図 | 建物を垂直に切り、その切り口を真横から見た図 | 階高・天井高・床から床までの寸法・各階の積み上がり・屋根勾配 |
| 矩計(かなばかり)図 | 外壁部分を垂直に切った、詳しい断面詳細図 | 基礎から屋根までの納まり・各部の寸法・materials の層構成(断熱・防水など) |
| 詳細図 | 特定部分を大きな縮尺で拡大した図 | 窓まわり・出入口・階段など、納まりを細かく示す部分 |
| 展開図 | 部屋の中央に立ち、四方の内壁を見た図(壁ごと) | 室内の壁面の高さ・仕上げ・建具や設備機器の取り付け位置 |
このうち矩計図は読み方を間違えやすい言葉です。「かなばかり」と読み、外壁の断面を基礎から屋根まで詳細に描いた縦の断面詳細図を指します。断熱材・防水層・下地・仕上げといった層の構成や、それぞれの高さ寸法が書き込まれており、施工で実際にどう積み上げるかを表す重要な図です。断面図が建物全体の高さ関係をざっくり示すのに対し、矩計図は外壁1か所を取り出して各層がどう重なるかを精密に示す、という関係にあります。
同じく混同しやすいのが平面図と配置図です。配置図は敷地全体を真上から見て建物の位置を示す図で、建物の中身(間取り)は描きません。平面図は建物の内部を水平に切って間取りを示す図です。切る高さは通常、窓やドアが断面に現れるよう床から約1〜1.5mに設定され、その高さで切った壁・柱・開口が線として現れます。立面図と展開図も向きが似ていますが、立面図は建物を外から見た外観、展開図は部屋の内側から見た内壁で、向いている方向が逆です。
平面図・断面図の読み方の基本
図面を初めて読む SE がつまずきやすいのは、線の意味です。平面図では、切断された壁や柱は太い線(断面線)で、切断面より下にある床の段差や家具などは細い線で描き分けられます。窓やドアは決まった記号(建具記号)で表され、開く向きまで示されます。寸法は通り芯どうしの間隔(スパン)と、開口や壁の位置を示す細かい寸法が層状に並びます。
断面図では、切断位置が平面図に矢印(切断線)で示され、その矢印の向きに見た断面が断面図として描かれます。つまり平面図と断面図はセットで読むもので、「平面図のこの位置を、この向きに切ったのが、この断面図」という対応を意識すると、2次元の図面から立体の建物を頭の中で組み立てられるようになります。
意匠図・構造図・設備図の3系統
上記の図面群は、関心領域によってさらに3つの系統に分かれます。同じ建物を、見た目を担う設計者・骨組みを担う設計者・配管配線を担う設計者がそれぞれの図面で描き、互いに整合させます。
- 意匠図(A):建物の見た目・間取り・仕上げを表す図。配置図・平面図・立面図・断面図・矩計図・展開図・建具表などが含まれ、設計の中心となる
- 構造図(S):柱・梁・床・基礎など骨組みを表す図。伏図(各階の構造部材を上から見た図)・軸組図・部材リスト・配筋図などが含まれる
- 設備図(M/E/P):電気・給排水衛生・空調換気の配管配線を表す図。系統図や平面図に設備記号で描かれる
3系統は同じ通り芯・同じ階を共有しながら別々に描かれるため、互いに食い違うこと(干渉や寸法のズレ)が起こりえます。たとえば意匠図では天井に余裕があるはずの空間に、設備図のダクトが太く通っていて納まらない、構造図の梁の位置が設備の配管ルートとぶつかる、といった衝突です。従来はこれらを人が図面を見比べて発見していました。これを照合する作業が設計監理であり、BIM ではモデルを重ね合わせて自動チェックする「干渉チェック」に発展します。系統ごとの図面記号や略号(A は意匠、S は構造、M/E/P は設備)を知っておくと、図面集のどこに何が書かれているかを素早く把握できます。
図面とBIMモデルの関係
従来の CAD では平面図・立面図・断面図をそれぞれ別個に描いていたため、1か所を直すと全図面を手で直す必要がありました。BIM では建物を1つの3Dモデルとして作り、そこから各図面を「切り出す(ビューとして生成する)」考え方に変わります。平面図はモデルを水平に切ったビュー、断面図は垂直に切ったビューにあたり、モデルを直せば全図面に反映されます。
SE 視点では、図面の種類を理解することは「モデルからどんなビューを出力する必要があるか」を理解することと同義です。たとえば確認申請には配置図・各階平面図・立面図・断面図が必須なので、モデルからそれらを欠かさず生成できる構成にしておく、といった判断につながります。
図面集としてのまとまりと管理
実際のプロジェクトでは、ここで挙げた図面が何十枚・何百枚と集まって1冊の図面集になります。各図面には図面番号と名称が付き、先頭の図面リスト(図面目録)で全体を管理します。図面番号は意匠が A、構造が S、設備が M/E/P といった系統の記号と通し番号で構成されることが多く、番号を見れば何系統の何枚目かが分かるようになっています。
図面は設計の進行とともに改訂されるため、各図面には改訂履歴(リビジョン)が記録されます。どの図面のどの版が最新かを取り違えると、古い図面を見て施工してしまう事故につながります。BIM ではモデルから図面を生成するため、モデルを直せば関連する全図面が一括で更新され、版ずれが起きにくくなります。とはいえ、確認申請に出した版・施工に渡した版といった「節目の版」を記録しておく必要は残ります。SE 視点では、図面という成果物の背後に「番号・系統・版」という管理情報があることを押さえると、BIM での図面出力やバージョン管理の設計がしやすくなります。
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