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バージョン:2
更新日時:2026-06-10 16:39:53
タイトル: AppleTalk
本稿は AppleTalk に関する記事です。AppleTalk は、Apple 社が 1980 年代に開発した独自のネットワークプロトコルスイートです。初期の Macintosh では標準のネットワーク手段として広く使われ、特に LocalTalk (シリアルポート経由の小規模 LAN) と組み合わせて、プリンタ共有・ファイル共有を実現していました。
現代では完全にレガシーで、Mac OS X 10.6 (Snow Leopard) を最後に Apple 公式のサポートも終了しています。新規利用の理由は事実上ありません。
AppleTalk の基本
| 項目 | 内容 |
| 正式名 | AppleTalk Protocol Suite |
| 開発元 | Apple Computer (現 Apple Inc.) |
| 登場年 | 1985 年頃 |
| 用途 | 初期 Macintosh のネットワーク (ファイル/プリンタ共有) |
| 位置づけ | 独自のプロトコルファミリ (IPX/SPX と並ぶ非 TCP/IP 系) |
| サポート終了 | Mac OS X 10.6 (Snow Leopard / 2009) を最後に公式サポート終了 |
主な構成プロトコル
| プロトコル | 役割 | TCP/IP での対応 |
| LocalTalk | 物理層・データリンク層 (シリアル接続) | Ethernet / Wi-Fi に相当 |
| DDP (Datagram Delivery Protocol) | パケット配送 (コネクションレス) | IP に相当 |
| ATP (AppleTalk Transaction Protocol) | 信頼性のあるトランザクション通信 | TCP に近い |
| NBP (Name Binding Protocol) | 名前解決 (機器名 ↔ ネットワークアドレス) | DNS に近い |
| ZIP (Zone Information Protocol) | ゾーン (グループ) の情報共有 | (類似機能なし) |
| RTMP (Routing Table Maintenance Protocol) | ルーティング情報の交換 | RIP / OSPF に相当 |
| AFP (Apple Filing Protocol) | ファイル共有プロトコル | SMB / NFS に近い |
| PAP (Printer Access Protocol) | プリンタアクセス | LPR / IPP に近い |
特徴
- 自動構成: ユーザが IP アドレス相当を意識せず、機器を繋ぐだけでネットワークが組めた (1980 年代当時としては画期的)
- ゾーンという単位でグループ化し、ユーザ向けにわかりやすく見せる仕組み
- LocalTalk はシリアル + 安価なケーブルで構築可能 (低速だがオフィスのプリンタ共有には十分)
- 後に EtherTalk (Ethernet 上の AppleTalk)・TokenTalk (Token Ring 上の AppleTalk) も登場
- Chooser (Mac の機器選択 UI) や Bonjour の前身に近い使い勝手
TCP/IP への移行
- 1990 年代後半から、Mac OS でも TCP/IP の重要性が増し「Open Transport」 を経て TCP/IP が標準に
- Mac OS X (2001〜) は基本的に TCP/IP・SMB・AFP over TCP がメインに
- ファイル共有は AFP → SMB へ徐々に移行 (現在の macOS は SMB 推奨)
- サービス検出は Bonjour (mDNS / DNS-SD) に置き換わった (Apple は AppleTalk の自動発見をベースに Bonjour を設計)
- 2009 年の Snow Leopard で Apple は AppleTalk のサポートを完全終了
現在の代替
| 旧 AppleTalk 機能 | 現代の代替 |
| ファイル共有 (AFP) | SMB (macOS / Windows / Linux で標準) |
| プリンタ共有 (PAP) | IPP / AirPrint |
| サービス検出 (NBP / Chooser) | Bonjour (mDNS / DNS-SD) |
| パケット配送 (DDP) | IPv4 / IPv6 |
| 信頼性配送 (ATP) | TCP |
歴史的・学習上の意義
- 「ユーザが設定を意識しなくても繋がる」というネットワーク思想は、Bonjour / Zeroconf の系譜を通じて現代の Apple 製品にも生きている
- パソコン通信〜LAN 黎明期のネットワーク史を語る上で外せないプロトコル
- レトロ Mac のコレクター・博物館展示などで触れる機会がある
注意点
- 現代の macOS / Windows / Linux では標準で利用できない
- 古い Mac (Mac OS 9 以前) と通信する場合は専用のサーバ・ルータが必要
- サポート終了プロトコルのためセキュリティ脆弱性の修正もない。インターネットに直接さらさない
- セキュリティ・互換性の観点から、新規システムでは絶対に採用しない
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