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UE5のOverlapAllDynamicとOverlapAllの違い

Unreal Engine 5（以下UE5）では、オブジェクト同士の衝突や接触を検知するためにCollision Presetを使用します。その中でも「OverlapAllDynamic」と「OverlapAll」は似ているようで異なる挙動を持っています。この2つの設定の違いを分かりやすく解説します。

OverlapAllの概要

「OverlapAll」は、すべてのオブジェクトに対してオーバーラップイベントを発生させます。このプリセットを使用すると、静的オブジェクト（Static）や動的オブジェクト（Dynamic）を問わず、接触した際にイベントをトリガーします。

特徴:

1. 静的および動的オブジェクトを対象にオーバーラップを検知します。 2. 高い柔軟性があるため、どのような状況でも使用可能。 3. 静的オブジェクトに関連する負荷がある場合、パフォーマンスが低下する可能性があります。

OverlapAllDynamicの概要

「OverlapAllDynamic」は、動的オブジェクトに対してのみオーバーラップイベントを発生させます。この設定は、パフォーマンスを重視しながらも必要なイベントだけをトリガーするように設計されています。

特徴:

1. 動的オブジェクト（Dynamic）に限定してオーバーラップを検知します。 2. 静的オブジェクト（Static）は無視されるため、計算負荷を削減できます。 3. 主に動的なシナリオでの使用に適しています。

OverlapAllとOverlapAllDynamicの違い

これら2つの設定の主な違いは、検知対象となるオブジェクトの種類にあります。

OverlapAll:

- 静的オブジェクト（Static）と動的オブジェクト（Dynamic）の両方を検知します。 - 汎用性が高いですが、大規模なシーンではパフォーマンスへの影響が大きい可能性があります。

OverlapAllDynamic:

- 動的オブジェクト（Dynamic）のみを検知します。 - パフォーマンスを重視する場合に適した選択肢です。

使用シーンの例

OverlapAllを使用する場面:

1. プレイヤーが静的なトリガーゾーンに入るイベントを設定する。 2. 静的なメッシュとの接触を含む複雑なコリジョンシステムを構築する。

OverlapAllDynamicを使用する場面:

1. ゲーム内で動的オブジェクト同士の接触だけを検知したい場合。 2. パフォーマンスを最優先にしたコリジョン処理を行う場合。

パフォーマンスの考慮

大規模なシーンや高頻度のオーバーラップイベントが発生する場合、OverlapAllDynamicの使用が推奨されます。静的オブジェクトを検知する必要がない場合、OverlapAllDynamicを選択することで余計な計算を省き、ゲームの動作を軽くすることができます。

まとめ

「OverlapAll」と「OverlapAllDynamic」は、それぞれの用途に応じて使い分けることが重要です。静的・動的両方のオブジェクトを対象にしたい場合はOverlapAllを、動的オブジェクトのみに限定したい場合はOverlapAllDynamicを選択しましょう。

これらの設定を適切に活用することで、ゲームのパフォーマンスと体験を向上させることができます。