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ページ更新者:atom
更新日時:2026-06-29 12:04:57

タイトル: LODとLOI(詳細度・情報量)
SEOタイトル: LODとLOIとは|LOD 100-500の段階と情報量LOI、混同しやすい点を整理

この記事の要点
  • LOD は Level of Development(米国 AIA 由来)で、要素が「どこまで信頼してよいか」を 100〜500 で示す指標。
  • LOD には Level of Detail(見た目の詳細度)と Level of Development(情報の確度)の二つの解釈があり混同されやすい。
  • LOI は Level of Information(属性情報の量・質)で、英国規格系で形状とは別に定義される。
  • 設計フェーズが進むにつれて LOD・LOI を上げていくのが基本で、最初から最高詳細にしないのがコツ。
  • 「見た目が精密=信頼できる」ではない点が最大の誤解で、形状の細かさと情報の確度は別物である。

LOD とは ― 詳細度・確度の指標

LOD は BIM 要素がどの程度の情報をもって作り込まれているかを段階的に表す指標です。もともとは米国の AIA(米国建築家協会)が定義した Level of Development(開発度・確度) が起点で、その要素を「どこまで信頼して意思決定に使ってよいか」を示します。一方で実務では Level of Detail(詳細度)、つまり見た目の作り込みの細かさという意味でも LOD が使われ、両者が混同されがちです。

SE の視点で言えば、Level of Detail は「ジオメトリの解像度」、Level of Development は「そのデータをどこまで本番として扱えるかの成熟度(信頼度)」と整理すると理解しやすいでしょう。

LOD 100〜500 の段階

LOD は 100 から 500 まで、原則 100 刻みで定義されます。数字が大きいほど確度が高く、より確定した情報として扱えます。

LOD概要典型フェーズ
100概念。記号やボリュームで存在のみを示す企画・概念設計
200概略形状。おおよその寸法・位置・数量基本設計
300正確な形状・寸法・位置。確定情報として使える実施設計
350他部材との取り合い(インターフェース)まで表現実施設計〜施工調整
400製作・施工レベル。製作可能な詳細施工・製作
500竣工現況(As-Built)。維持管理向けに検証済み維持管理

LOD 350 は LOD 300 と 400 の間を埋めるために後から追加された段階で、部材どうしの取り合いを表現できる点が特徴です。

LOI ― 情報量の指標

LOI は Level of Information(情報量)の略で、形状とは独立に「属性情報がどれだけ揃っているか」を示します。英国の BIM 規格(PAS 1192/ISO 19650 系)では、形状の詳細度(LOD/Level of Detail)と情報の詳細度(LOI)を分けて管理する考え方が採られています。

  • LOD(形状): 壁の形・寸法・取り合いがどこまで作り込まれているか。
  • LOI(情報): その壁の材料・耐火性能・メーカー・型番・コストなどがどこまで揃っているか。

たとえば「形状はざっくり(LOD 低)だが、メーカー・型番まで決まっている(LOI 高)」という状態もあり得ます。形状と情報を別軸で管理することで、フェーズに応じて必要な情報だけを過不足なく定義できます。

フェーズと詳細度の関係

BIM 運用では、設計の進行に合わせて LOD・LOI を段階的に引き上げていくのが基本方針です。企画段階で LOD 100 のボリュームから始め、実施設計で LOD 300、施工段階で LOD 400 へと深めていきます。どのフェーズでどの要素をどの詳細度にするかは、実行計画(BEP: BIM Execution Plan)であらかじめ取り決めるのが一般的です。

この「段階的に上げる」という考え方が重要なのは、手戻りコストと密接に関わるからです。早期に高い詳細度で作り込むと、その後の設計変更のたびに詳細部分を作り直す手戻りが発生します。逆に必要な詳細度に達していなければ、その情報を根拠に意思決定できません。フェーズごとに「いま必要十分な詳細度」を見極めることが、効率的な BIM 運用の核心です。

また、LOD は要素の種類によっても達成すべき水準が異なります。たとえば外装の納まりは早期に LOD を上げたい一方、室内の家具は終盤まで低い詳細度で構わない、といった具合です。一律ではなく、要素ごと・フェーズごとに目標 LOD を表にして管理するのが実務的なやり方です。

誤解されやすい点

  • 「見た目が精密=信頼できる」ではない: ジオメトリが細かくても、確度(Development)が低ければ意思決定には使えません。LOD は本来この確度を示すものです。
  • 最初から高 LOD にしない: 早期に作り込みすぎると、設計変更のたびに手戻りが膨らみます。フェーズに応じた詳細度に留めるのが効率的です。
  • LOD は要素ごとに異なってよい: モデル全体で一律の LOD にする必要はなく、重要な要素だけ先行して詳細化するのが現実的です。
  • LOD と LOI は別物: 形状の細かさ(LOD/Detail)と情報の充実度(LOI)を混同しないことが、的確な要件定義の前提になります。
  • LOD は規格ではなく取り決め: LOD の定義は AIA・BIMForum などの団体により細部が異なります。国や発注者ごとに採用する定義が違うため、プロジェクトごとに「どの定義の LOD か」を明示する必要があります。

SE が要件として扱う際の注意

BIM データを受け渡すシステムや、属性を抽出して別システムへ連携する仕組みを設計する場合、LOD と LOI を要件として明確に切り分けることが重要です。形状の解像度(LOD/Detail)はファイルサイズやレンダリング負荷に影響し、情報量(LOI)はどの属性(プロパティ)が確実に格納されているかという、データ連携の可否そのものに関わります。

  • 連携で「型番が必須」なら、その要素の LOI が型番を含む水準に達しているかを確認する。
  • 「概算でよい」段階では、形状を高 LOD にしてもデータ量が増えるだけで利点は薄い。
  • 受け渡し相手と、要素ごとの目標 LOD・LOI を事前に合意しておく。

つまり LOD/LOI は単なる設計用語ではなく、データ要件の語彙でもあります。何を信頼してよいか、どの属性が存在するかを示す指標として捉えると、システム連携の設計に直結します。

LOD と他概念の関係

LOD・LOI は単独で使われるのではなく、BIM 運用の他の概念と結びついて機能します。とりわけ実行計画(BEP)との関係が重要です。BEP では、プロジェクトのマイルストーンごとに、どの要素をどの LOD・LOI まで仕上げるかを表形式で定義します。これにより「この段階のモデルは何を根拠に使ってよいか」が関係者間で明確になり、過剰な作り込みや情報不足を防げます。

また干渉チェックの精度も LOD に依存します。形状が概略(低 LOD)のうちは取り合いの細部まで検証できず、詳細度が上がって初めて意味のある干渉検出ができます。逆に、検証したい内容に対して必要十分な LOD に達しているかを見極めることが、無駄のないチェック計画につながります。このように LOD・LOI は、フェーズ・計画・検証を貫く共通の物差しとして機能します。

まとめ

LOD は形状の詳細度と情報の確度を 100〜500 で表す指標、LOI は属性情報の量を表す指標です。両者を分けて捉え、フェーズに応じて段階的に引き上げることが効率的な BIM 運用の鍵になります。関連する概念は BIM 総論 の目次から辿れます。