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更新日時:2026-06-11 07:07:02

タイトル: データリンク層(第2層)
SEOタイトル: OSI 第2層 データリンク層とは(MAC アドレス / Ethernet / フレーム / スイッチ 完全ガイド)

この記事の要点
  • データリンク層 (L2) は OSI 参照モデルの第 2 層。隣接ノード間での確実なデータ伝送を担当
  • 主な仕事: フレーム化 / MAC アドレスによる宛先指定 / 衝突回避 / 誤り検出
  • 代表プロトコル: Ethernet (IEEE 802.3) / Wi-Fi (IEEE 802.11) / PPP / HDLC
  • 機器: スイッチ (L2 スイッチ) / ブリッジ / NIC — MAC アドレスで動く
  • サブレイヤー: LLC (上位層インタフェース) と MAC (媒体アクセス制御) の 2 層構成
  • VLAN / STP / LACP などの L2 機能で論理分割・冗長化・帯域拡張

データリンク層 (L2) とは

データリンク層 (Data Link Layer) は OSI 参照モデルの第 2 層に位置するレイヤーで、物理的に直接つながった隣接ノード間での確実なデータ伝送を担当します。

物理層 (L1) が「電気信号として 0/1 を運ぶ」のに対し、データリンク層はその 0/1 を意味のあるまとまり(フレーム)にして、宛先を指定して送るのが仕事です。

主な役割

役割説明
フレーム化ビット列をフレーム単位に区切る(先頭/末尾の同期パターン)
アドレッシングMAC アドレスで送信元 / 宛先を指定
媒体アクセス制御同じ媒体を複数機器が共有 — 衝突回避 (CSMA/CD, CSMA/CA)
誤り検出FCS (Frame Check Sequence) = CRC で壊れたフレームを検出
フロー制御送信スピード調整 (PAUSE フレームなど)
誤り訂正 / 再送プロトコルによっては再送制御も実施

サブレイヤー: LLC と MAC

IEEE 802 規格ではデータリンク層を 2 つに分けています。

サブレイヤー規格役割
LLC (Logical Link Control)IEEE 802.2上位層(IP / IPX)への共通インタフェース、コネクション制御
MAC (Media Access Control)IEEE 802.3 (Ethernet)、802.11 (Wi-Fi)物理媒体へのアクセス制御、MAC アドレスでのアドレッシング

MAC アドレス

MAC アドレスはネットワークインタフェース(NIC)に焼かれた 48 ビットの一意なハードウェア識別子です。

項目内容
サイズ48 ビット = 6 バイト
表記00:1A:2B:3C:4D:5E
前半 3 バイトOUI = ベンダー識別子(Apple, Cisco, Intel 等)
後半 3 バイトベンダー内シリアル
特殊アドレスFF:FF:FF:FF:FF:FF = ブロードキャスト
# Linux で NIC の MAC アドレス確認
ip link show
# 2: eth0:  mtu 1500
#     link/ether 00:1a:2b:3c:4d:5e brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

# Windows
ipconfig /all
getmac

# macOS
ifconfig en0 | grep ether

主なデータリンク層プロトコル

プロトコル規格用途
EthernetIEEE 802.3有線 LAN の事実上の標準
Wi-FiIEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax無線 LAN
PPP (Point-to-Point Protocol)RFC 1661WAN 接続、PPPoE 経由のフレッツ網等
HDLCISO/IEC 13239シリアル WAN リンク
Frame Relay / ATMITU-T 標準旧世代 WAN(廃れつつあり)
Token RingIEEE 802.5レガシー(消滅)

Ethernet フレームの構造

フィールドサイズ内容
プリアンブル7 byte同期用パターン
SFD1 byteフレーム開始位置
宛先 MAC6 byte受信先 MAC アドレス
送信元 MAC6 byte送信元 MAC アドレス
タイプ / 長さ2 byte0x0800 = IPv4、0x86DD = IPv6
ペイロード46〜1500 byte上位層 (IP) パケットを格納
FCS (CRC-32)4 byte誤り検出符号

データリンク層で動く機器

機器判断材料
NIC (LAN カード)L1 + L2MAC アドレスを持つ通信エンドポイント
ブリッジL2MAC アドレス(古い機器)
L2 スイッチL2MAC アドレステーブルで宛先ポート決定
無線 APL2SSID + MAC で接続管理
L3 スイッチ / ルーターL3IP アドレスで転送(参考)
ハブL1単純な信号増幅(L2 ではない、参考)

主要な L2 機能・技術

技術用途
VLAN (IEEE 802.1Q)1 つの物理 LAN を論理的に複数に分割
STP / RSTP / MSTPループ防止(冗長経路を 1 つだけ active に)
LACP (IEEE 802.3ad)複数リンクを束ねて帯域拡張・冗長化
PoE (IEEE 802.3af/at/bt)LAN ケーブルで電力供給
Jumbo FrameMTU を 9000 byte 等に拡大、データセンタで利用
QinQ (IEEE 802.1ad)VLAN tag の二重化(キャリア網用)

L2 とイーサネットの図解

[ PC A ] ─── Ethernet フレーム ──→ [ L2 スイッチ ] ─── ─→ [ PC B ]
   |                                       |
MAC: 00:11:22:AA:BB:CC          MAC アドレステーブル
                                  Port 1 ← 00:11:22:AA:BB:CC
                                  Port 2 ← 00:11:22:DD:EE:FF

宛先 MAC を見てポートを決め、目的の PC だけにフレームを転送
(ハブは全ポートに撒く / スイッチは宛先だけに送る)

FAQ

Q: ルーターは L2 機器?
A: いいえ、ルーターは L3 (ネットワーク層) で IP アドレスを見て転送。L2 スイッチは MAC アドレスで転送する別物。

Q: Wi-Fi も L2?
A: そう。IEEE 802.11 はデータリンク層の規格。L2 スイッチと同じく MAC アドレスで動く。

Q: MAC アドレスは世界で一意?
A: 製造時点では一意。だがソフトで偽装(spoofing)は可能。Docker や仮想マシンの NIC はランダム生成されたものを使う。

ARP — IP と MAC を結ぶ橋渡し

L3 の IP アドレスから L2 の MAC アドレスを解決するのが ARP (Address Resolution Protocol) です。同じ LAN セグメント内で「この IP のホストの MAC を教えて」とブロードキャストし、対象 PC がユニキャストで応答します。

# ARP キャッシュ確認
arp -a              # Windows / Linux 共通
ip neigh show       # Linux 推奨

# 例
192.168.1.1   00:1a:2b:cc:dd:ee   ether   STALE
192.168.1.10  00:1a:2b:11:22:33   ether   REACHABLE

ARP は L2 と L3 の境界で動く特殊なプロトコル。OSI 的には L2.5 と呼ばれることもあります。

L2 セキュリティのリスク

攻撃仕組み対策
ARP スプーフィング偽の ARP 応答で通信経路を乗っ取る (MITM)動的 ARP 検査 (DAI) / 静的 ARP
MAC フラッディング偽 MAC を大量送信、スイッチをハブ状態にポートセキュリティ (MAC 数制限)
VLAN ホッピングダブルタグ等で別 VLAN へ侵入ネイティブ VLAN を未使用 ID に
DHCP スプーフィング偽 DHCP で誤った GW を配布DHCP スヌーピング

L2 と他層の関係

名前単位機器
L7アプリケーション層データWeb ブラウザ / メールクライアント
L4トランスポート層セグメントポート番号 (TCP/UDP)
L3ネットワーク層パケットルーター / L3 スイッチ
L2データリンク層フレームL2 スイッチ / ブリッジ / NIC
L1物理層ビットケーブル / ハブ / リピータ