タイトル: JP1
本稿は JP1 に関する記事です。JP1 は、日立製作所が提供する統合システム運用管理ソフトウェアで、企業の IT システムにおける稼働監視・業務自動化 (ジョブスケジューリング)・IT 資産管理・インフラ管理などを一元的に行うための製品群です。日本国内の基幹システム運用で広く採用されています。
JP1 の主な特徴
- 統合管理 — 監視・ジョブ・ネットワーク・資産・サーバ管理を 1 つの体系で運用
- 大規模・基幹系向け — 金融・公共・製造業など、ミッションクリティカルなシステムで多数採用
- 日本語の操作画面・国内サポート
- モジュール型 — 必要な製品 (シリーズ) を組み合わせて導入
- マルチ OS 対応 — Windows / Linux / UNIX / メインフレーム
- クラウド対応 — AWS・Azure 等の監視も可能
主な JP1 製品 (シリーズ)
| 製品ライン | 役割 |
|---|---|
| JP1/IM (Integrated Management) | 統合監視。各種イベントの集約・可視化 |
| JP1/AJS (Automatic Job Management System) | ジョブの自動運転・スケジューリング (一番有名) |
| JP1/PFM (Performance Management) | サーバ・アプリの性能監視 |
| JP1/NETM | ネットワーク管理 |
| JP1/IT Desktop Management | クライアント PC・IT 資産管理 |
| JP1/Base | JP1 製品共通の基盤 (認証・ログ収集) |
| JP1/Cm2 | ネットワーク監視・SNMP |
| JP1/Audit | ログ収集・監査 |
| JP1/AO (Automation) | 運用自動化 |
| JP1 Cloud Service | JP1 機能をクラウドから利用 |
JP1/AJS の代表的な用途
JP1 の中でも特に利用頻度が高いのがジョブスケジューラ JP1/AJS です。次のような業務で広く使われます。
- 夜間バッチ: 日次集計・帳票作成・データ取込
- 定期処理: 月次決算、ファイル転送、バックアップ
- システム間連携: ジョブ実行結果に応じた後続処理の分岐
- 異常時の再実行: リカバリジョブ・リトライ・代行起動
- カレンダ管理: 営業日・祝日・特定日定義
JP1/IM の代表的な機能
- サーバから発生する各種イベントの集約とフィルタリング
- 監視ツリー・ダッシュボードでのシステム全体の可視化
- イベントを起点とした自動アクション (コマンド実行・他システム連携)
- 運用シナリオベースの業務影響度評価
- 外部の監視ツール (SNMP / Syslog / メール / Webhook) との連携
類似製品との比較
| 製品 | 位置づけ |
|---|---|
| JP1 (日立) | 国内基幹系の統合運用管理。日本語サポート厚い |
| Hinemos | 国産 OSS の運用管理 |
| Senju (NRI) | 金融系で広く使われる |
| Tivoli (IBM) | 外資系の統合運用管理 |
| Zabbix / Nagios / Prometheus | OSS の監視。コスト重視・クラウド系で人気 |
| Datadog / New Relic / Mackerel | SaaS 監視 |
| Rundeck / control-m / Airflow | ジョブスケジューラ系 |
導入・運用のポイント
- 製品の組合せ設計が肝。必要なシリーズだけ導入し、過剰投資を避ける
- JP1/Base が前提になる製品が多い。順序を意識
- ライセンス体系は OS・CPU・端末数等で変動。最新の見積もりは要問合せ
- 運用設計と並行してジョブネット定義・命名規約を整える
- 運用ドキュメント・引き継ぎ資料を作る (属人化を防ぐ)
- 本番リリース手順とリカバリを文書化
JP1 を使う上での注意点
- 商用ソフトのためライセンス費用が必要。OSS 監視で代替できる規模かを検討
- バージョンアップに伴う互換性・運用手順変更を計画的に
- JP1 独自用語が多い (ジョブネット・カレンダ・ホストグループ等)。社内勉強会で揃える
- マルチクラウド時代では、JP1 と各クラウドのネイティブ監視 (CloudWatch、Azure Monitor 等) の役割分担を決める
- 巨大なジョブネットは監査ログ・変更履歴が肝心。設定変更管理プロセスを整備
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